内容説明
ついに合戦の火蓋が切られる!わが世の春を謳歌する平家一門。しかし以仁王の令旨に呼応して、頼朝、義仲を筆頭に、諸国の源氏の一族郎党が立ちあがる。宇治川の橋合戦、福原遷都、富士川の敗走、奈良炎上、倶梨迦羅落…次第に平家の旗色に翳りが見えはじめ、清盛が凄絶な最期を迎える。書き下ろし「後白河抄・二」収録。
目次
四の巻(厳島御幸―三歳の新帝誕生;還御―帰路の風雅 ほか)
五の巻(都遷―平家の悪行、頂点へ;月見―光源氏を偲び、宇治も偲び ほか)
六の巻(新院崩御―運命の年、陰鬱に明ける;紅葉―高倉院の逸話二つ ほか)
七の巻(清水冠者―源氏の両雄、その対立;北国下向―その狼藉 ほか)
著者等紹介
古川日出男[フルカワヒデオ]
1966年生まれ。98年『13』でデビュー。『アラビアの夜の種族』で日本推理作家協会賞、日本SF大賞、『LOVE』で三島賞、『女たち三百人の裏切りの書』で読売文学賞などを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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巨峰
46
怒涛の第2冊。以仁王の変、平清盛の死から、平家の都落ちまで。富士川の戦いや倶利伽羅峠の戦いなど、戦記ものとしても魅力的。平家物語を読んでみたら、重盛死後の清盛ら平家一門の悪逆ぶりは凄まじいと思いました。直ぐ3冊目を読みはじめています2024/11/09
みつ
27
巻の四から七までを収録。いよいよ合戦が描かれる。最初は以仁王の乱でこれは平定されるが、巻の五では富士川の戦い(というよりは平家の不戦敗?)、七では倶利伽羅峠の戦いが描かれ、次第に平家は追い詰められる。その前の福原遷都、高倉上皇の死と上皇に関するエピソードなど名場面も多い。それにしても、後白河法皇の子孫の天皇がここまでで三人先立ち、清盛も早くも退場するなど、残された法皇がこの物語に決着をつける存在であることが次第に浮かび上がってくる。後半では平家一族の都落ちが描かれ➡️2024/08/21
こちょうのユメ
18
この巻は、平家一門の没落とその哀れさが詳しく描かれている。優雅な公卿である以仁王が、源頼政らにかつがれて無謀な挙兵をおこなう。清盛はこれらの反乱の動きに対応するため、福原への遷都を決行。興福寺戦での東大寺焼失などにより、次第に平家は民衆の支持を失っていく。頼朝と義仲の各地での反政府行動が描かれ、さらに清盛の呪われたような壮絶な死がつづく。富士川や倶利伽羅峠での平家軍の敗戦もあり、政治情勢は一層混乱。平家一門はついに京を去ることになる。この都落ちの描写が悲しいのだ。ボリュームがあり、読み応えもあるよ。2024/09/24
やま
11
そして、2巻目もすぐに読む。途中で琵琶なんぞ出てくると、琵琶法師の語りを聞きたくなる。
播州(markⅡ)
8
平家の悪行が重ねられ、機は熟す。いよいよ緒戦が行われる。以外なことに最初の戦は源平ではなく、後白河の子、高倉の宮。破壊された橋をさらさらと渡り、八面六臂の大活躍。浄妙房。その肩をするりと飛び越え、見事な討ち死にを果たす一来法師。え?なにこの外連味あふれるアクションシーン!そして平家方も見事。馬と人とで荒川を見事に渡りきって戦を始める。あっぱれの一言に尽きる。都を移し、奈良を焼き、とうとう清盛入道も入滅される。木曾義仲の俱利伽羅峠の戦。さすがに6万は盛りすぎではなかろうか?そして平家の都落ちにて終幕。2025/05/01
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