内容説明
勝ち気な美少女・まゆみは、父を亡くし、愛らしい弟と病弱な母と東京に向かっていたが、道中で母も病死してしまう。偶然居合わせた辻男爵家の家庭教師・純子は、二人を見捨てられず引き取ることにする。男爵家にも家族同然の愛情を注がれるも、人から施しを受けることが気位の高さゆえ許せないまゆみは、弟を残し家出し―。数奇な運命に導かれて行き着く先は?
著者等紹介
吉屋信子[ヨシヤノブコ]
1896年新潟市生まれ。10代から20代にかけて発表した『花物語』が「女学生のバイブル」と呼ばれるほどの大ベストセラーとなる。流行作家として人気を博した。1952年「鬼火」で女流文学者賞、67年菊池寛賞受賞。73年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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松本直哉
20
天涯孤独の身で裕福な家に引き取られた薄幸の少女でも卑屈にならず、誇り高く、言いたいことははっきり言い、そのために誤解もされるが、実はフランス語もできてピアノや乗馬もできるという才色兼備が次第に明らかになり、最後には思いがけない出生の秘密が明かされてハッピーエンディングという、こう書けばご都合主義の予定調和かと思われるが、ついつい引き込まれて読んだ。伯爵家の若い当主が初めは少女の反抗的態度に拒否感を示すが、それが徐々に好意に変わったり、少女をいじめていた意地悪少女が自らの非を悟るなど、人格が可塑的なのが良い2026/03/04
あんこ
11
全ての吉屋信子作品を知る訳では無いが、今まで読んだ彼女の作品の中で一番エネルギッシュだった。確かにこれは当時の少女達にとってのエンタメであり、どれほど夢中になったことだろうか。私も少女の行く末が気になって貪るようにして読んだ。とにかくキャラクターが最高に良い。語り手がヒロインとは別なので、ヒロインであるまゆみの行動にドキドキさせられる。そしてその運命につい感情移入してしまう。読者である私は級友の篤子の目を借りてまゆみを頁の外側から見守ることもできる。 そして柚木さんの解説も堪らなかった。最高に熱い。2024/08/13
山のトンネル
8
1930年?!に刊行の驚き。掘り出し物感満載。2023/12/04
うさぎ
3
物語の流れが絶妙で、夢中になって読みました。まゆみさんの不器用さや頑なさが魅力的でした。2025/06/11
めめ
3
ドラマチックで続きがどうなるのか気になって、一気に読める。上品な少女小説。ハッピーエンドで終わる安心感。両親が死んで孤児になった少女の波瀾万丈な物語。ちょっと頑なな心の少女が苦労して経験を積んでいく。華やかな学校生活、乗馬、意地悪なお手伝いさん、1930年らしい道具立てが興味深い。また吉屋信子の単行本が出るだろうか、楽しみです。2023/10/31




