内容説明
三人組強盗が病院に押し入り、患者たちを人質に立て籠もった。交渉人・石田が到着するまでの間、交渉を任されたのは、石田の元部下の遠野麻衣子。武器は1台の「電話」だけ。刻々と過ぎゆく時間、逆上する犯人との困難な交渉―。手に汗握る展開の末、ラストに暴かれる、衝撃の真実と驚愕の真犯人とは?ベストセラー『交渉人』が大幅改稿&改題の上、完全復活!
著者等紹介
五十嵐貴久[イガラシタカヒサ]
1961年、東京都生まれ。成蹊大学文学部卒業後、出版社に入社。2001年に「リカ」で第二回ホラーサスペンス大賞を受賞し、翌年デビュー。ミステリーや恋愛小説、スポーツ小説など幅広いジャンルで活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ma-bo
101
2003年に単行本で発売された「交渉人」を大幅に改稿した上で文庫版で発売された物。コンビニ強盗が逃走の末病院に逃げ込み籠城。交渉人の石田が来るまで石田の元部下の遠野麻衣子が指名された。石田の犯人との交渉、そして人質解放、逃走劇。急展開の状況に石田の側で見守る麻衣子が見抜いた真相は。交渉人としての麻衣子の活躍は次作以降に期待。2025/04/11
absinthe
94
『リカ』で有名な著者の、デビュー当時の作品の一つらしい。作品に若さが溢れて良い感じ。粗削りだが野心がある。こういう尖った作品が大好きなので、小さな瑕疵には目を瞑りたい。『交渉人』なのにあまり主人公が交渉人として活躍しない。後半は別の話になってしまう。欲を言うと交渉人として決着をつけてほしかった。最後、犯人との対話によって犯人の今後の生き方を説得したのだが、それが交渉?とするとやっぱり交渉人だったのか。途中で黒幕は分かってしまったんだけども楽しく読めた。後半はスピード感があって引き込まれる。2025/06/16
海猫
77
三人組強盗が病院に押し入り患者らを人質に立て籠もる。交渉のプロと犯人たちとの駆け引きを描く長編。著者が自作「交渉人」を大幅改稿し、舞台を現代に仕立て直したものが本書「交渉人・遠野麻衣子」である。私は旧版を幻冬舎文庫で読んでいるけど細部は忘れているので新鮮に読めた。軽く読み比べをすると新版はスマホが出てくるのが特に印象が強く、文章も細かく手が入って引き締まった感じがする。全編張り詰めたサスペンスがあり、引き込まれた。終盤はさらにブーストが掛かり、思い切った仕掛けが抜群に効いて納得の仕上がり。一気読みの一冊。2023/06/16
坂城 弥生
55
閑職に回されても腐らずにやっていた麻衣子が強い女性だなぁと思った。2023/06/27
スター
51
めっちゃ面白かったです。3人組の暴漢が病院に押し入り、患者や医師や看護師を人質に立てこもる。交渉人の石田が来るまで石田の元部下の遠野麻衣子が犯人達との交渉に当たる。 元々「交渉人」というタイトルで2003年に新潮社から刊行された作品を大幅改稿して河出文庫から出したそうです。 犯人との駆け引きは、実際にこんな形で行われていてもおかしくなさそうなリアリティを感じました。2024/06/13