内容説明
チャンバラ映画の面白さとは何だったのか?なぜ廃れてしまったのか?優れたチャンバラ時代劇論にして、小説、歌舞伎、テレビなど多岐にわたる領域を一冊の中で語ることにより浮かび上がる近代日本大衆史。橋本治にしか書きえなかった、アクロバティックな大名著が待望の初文庫化!
目次
第1講 チャンバラ映画とはなにか(チャンバラ映画とはなにか;チャンバラ映画はこうしてくだらない;チャンバラ映画と小説 ほか)
第2講 これが通俗だ!(たとえば丹下左膳の場合;もう一人の丹下左膳、阪東妻三郎(バンツマ)の場合
という訳で出て来る、退屈のお殿様の場合 ほか)
第3講 格調の高さの研究(遠山の金さんのお説教;どうして東映のチャンバラ映画はワンパターンか?;日本の近代に於ける娯楽の始まり ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヨーイチ
29
2も有るので、例によってコメントはそちらを読了後とする。相変わらずの博覧強記と独特の論旨を堪能。好きな分野なので楽しい。忠臣蔵と勧進帳の話は歌舞伎好きな若い衆は読まない方がいいかも、歌舞伎の解説本とはかけ離れた内容で混乱必至(笑)2023/06/10
hasegawa noboru
14
チャンバラ映画とはなにか?(第一講)から始まって話題は縦横無尽にあっちへいき、こっちへいきの橋本節。1986年刊行本の文庫化というから、見落としていた。どこまでも幅広いから浅いかと言うと深い。こんな才能の人今見渡していない。丹下左膳やら畑本退屈男やら(第二講これが通俗だ!)を論じて文庫本200頁弱!忠臣蔵の史実と46年後の江戸の『仮名手本忠臣蔵』と明治に入っての『実録忠臣蔵』と昭和3年の大佛次郎『赤穂浪士』とそのTVドラマ版、昭和39年『赤穂浪士』(脚三本・村上元三)との比較研究というか大忠臣蔵論。第三講2023/02/12
Mc6ρ助
13
『・・”時代劇”が・・が着物を着た”現代劇”である・・(p113)』時代小説は着物を着た現代小説なのであった。博学多識なお殿様・・を前になすすべもなく次巻へ!2023/06/13
to boy
12
チャンバラ時代劇」についていろいろと考察しているけれど、橋本さんの文章ってくどくてしつこくて私には合わない。でも、時代劇がどうして明治になって生まれたのか、その後昭和にかけてどういう風に変遷していったのか詳しく書かれていてな~るほどと思った。子供の頃、棒を腰に刺してチャンバラごっこをやっていた世代なのでちょっと共感する部分もあった。丹下作善、鞍馬天狗、旗本退屈男などナウかしい名前が出てきました。2023/01/25
耳クソ
10
この本は、きっと世界を変えた。2024/09/22