出版社内容情報
ギャグ大河漫画『風雲児たち』の作者にして天下無比の漫画研究家、みなもと太郎による伝説の漫画エッセイ集。漫画史に輝く名著。
内容説明
漫画の快楽がここにある。歴史大河ギャグ漫画『風雲児たち』の作者にして、天下無比のマンガ研究家、みなもと太郎が、誰もが知る名作から時代に埋もれた逸品まで膨大な作品をとりあげながら、その魅力と楽しさを縦横に語る。のちの漫画家や読者にも大きな影響を与えた、伝説の漫画エッセイ集。
著者等紹介
みなもと太郎[ミナモトタロウ]
1947年、京都府生まれ。漫画家。マンガ研究家。67年、『別冊りぼん』でデビュー。2004年、「歴史マンガの新境地開拓とマンガ文化への貢献に対して」第8回手塚治虫文化賞特別賞、10年、第14回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、20年、第49回日本漫画家協会賞コミック部門大賞を受賞。21年、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヨーイチ
30
リアル本屋を巡ってみて発見した一冊。「こんな本があったんだぁ」てな喜びと期待感は久しぶりで雑誌連載コラムの読み易さも相まってギリシャ歴史は脇にどけて読み出す。マンガの歴史なのだが、みなもと太郎だけに独特の鋭さと無駄話が矢鱈と面白い。執筆が70年代ということを頭に入れて、時の流れを確かめながら読み進める。多分取り上げられている一番若い作家が(実年齢と漫画家デビューのズレは当然あるとしても)秋本治とあっては人によっては神話時代の話なのかも知れない。因みに小生とほぼ同じ年であった。2023/09/30
阿部義彦
27
みなもと太郎先生のご冥福を祈ります。この連載が載っていた「 マンガ少年」はリアルタイムで買って読んでました。あすなひろし、樹村みのり、清原なつの、倉田江美 等、主流派エンタメとは外れた実にマニアックな人選には痺れてましたです。特にギャグ漫画には造詣が深く、江口寿史、山上たつひこ、鴨川つばめ、そして、この人も今や故人の吾妻ひでお まで繰り出す蘊蓄の楽しい事といったら有りません。みなもとさんと言えば私の中では「ホモホモセブン」の作者としての位置付けで「風雲児たち」は読んでませんでしたが、エッセイとしては一流。2022/01/15
kei-zu
25
読みたいなあと思っていたまま長い時間がたってしまった。マンガの名場面の紹介。著者の逝去による復刊は、微妙な気持ちです。 手が伸びにくかったのは、「マンガ少年」誌に連載であった時代性により、取り上げられるマンガに知っているものが少なかったことがある。 ところが著者の語り口は、それでも面白く読ませてしまう。 晩年まで著者はマンガへの愛を多くの場で語ってた。改めて逝去を残念に思う。2021/12/30
ハルト
12
読了:◎ 懐かしの漫画の名セリフ集。知ってる名前チラホラで、ほぼ知らない漫画家さんたちだったけれど、おもしろい。こんな漫画がこの頃にはあったんだと参考になる。知っている人から見ると、よくぞこの作品・作者まで……! というちょいマニアックな方たちも取り上げられているようで、たまらないんだろうなきっと。少年漫画ばかりでなく、少女漫画もしっかり取り上げられているのがすごい。著者の広範な漫画愛が伝わってくる一冊だった。2022/01/02
ジロリン
10
終盤は〈歴史に埋もれてしまったマンガ〉を発掘し、そのセリフを披露する、という感じで〈マンガの名セリフ〉という主旨からちょいと脱線してしまった感がある。本家「お楽しみはこれからだ」は、懐かしの名画だけでなく公開されたばかりの作品もかなり積極的に取り上げてたはずなので、その辺の対象とのスタンスの違いがあるからなんだろうなぁ。単行本化の際「装丁も〈そっくり〉にしたいので和田誠さんに頼もう」と打診したら「それはちょっとできない(笑)…でも文句は言わないのでご自由にどうぞ」と返された、というエピソードが良い♪2021/11/09