出版社内容情報
もし彼が生きていたら「アフガンの今」は全く違っていただろう。民衆に愛された、反タリバン運動の司令官を通して描くアフガンの真実
内容説明
タリバンに抗し、米国同時多発テロの二日前に暗殺されたアフガン民衆の伝説の指導者―彼はなぜ歴史を背負わねばならなかったのか?諸外国の干渉と民族対立でテロの温床となった祖国に、自由と平和を取り戻すため戦った英雄の姿、その人間的魅力を、ゲリラ戦の根拠地で生活を共にした写真家が活写した渾身のルポ。息子マスード二世が父の遺志をつぎ立ち上がった最新の状況を加筆。
目次
マスードよ、安らかに眠れ!
1 アフガニスタンへ
2 パンシール
3 マスードの戦い
4 ヒンズークシを越えて
5 統一戦線へ
6 戦士群像
マスードの見た夢
その後のアフガニスタンとアフマドの戦い(二〇〇二年~二〇二一年)
著者等紹介
長倉洋海[ナガクラヒロミ]
1952年、北海道釧路市生まれ。同志社大学在学中、アフガニスタン遊牧民と接触。通信社を経て、フリーランスのフォト・ジャーナリストに。ソ連軍侵攻下のアフガニスタンで、祖国の自由と独立を求めて戦いを続けるアフマド・シャー・マスードと出会い、以後十七年にわたって撮影、親交を深める。ほかにもエルサルバドルやコソボの紛争地の人々、シルクロードの長期取材も行った。著作に『マスード 愛しの大地アフガン』(土門拳賞)等(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nishiyan
15
タリバンと戦い、米国同時多発テロの二日前に暗殺されたアフガン民衆の伝説の指導者マスード。ソ連軍との戦いから始まるアフガンの自由と平和を取り戻す激闘の日々と人間的魅力が溢れる素顔を描いたルポ。イスラム&アフガンの伝統的価値観VS共産主義から始まった戦乱は東西対立だけでなく、周辺国の思惑、世代間の対立も絡まったことで複雑怪奇な状況になったことがわかった。早くからタリバンの後ろに控えるテロ組織への警鐘を鳴らしていたマスードの先見の明。自身を顧みない英雄を失ったことでこの混迷は今も続くのだからやりきれない。2022/01/12
Koco
0
かつてアフガニスタンには「パンジシールの獅子」と呼ばれる英雄がいた。建築家になる夢を持った青年は、民衆の伝説の指導者となった。テロに屈せず、年配者を敬い、市井の人々をいたわり、根気良く語り、寝る間も惜しんで各地へ足を運び、演説し、協議し、教育や指導に労力を惜しまず、駆け足で生き抜いた人生の中のほんの百日間の密着取材。「分離独立するのはなく、多様性を維持したまま平和な国にすることが大切だ」決して口だけの指導者ではなかった。2022/07/25
Yoshie
0
もう20年も経つのか2022/01/20