出版社内容情報
私は、今夜、殺されるためにこの人を私の部屋に招待したのだった――。連城ミステリーの最高峰が5度目の文庫化。色褪せない名作。
内容説明
世界的に活躍するモデルの美織レイコが、死体となって発見された。彼女を殺す動機を持つのは七人の男女。それぞれが、自分こそが犯人だと思いこむ奇妙な状況の中、一人の容疑者が逮捕される。しかし、別の容疑者が犯行を告白する遺書を残し自殺したことで事態は急展開を迎えるのだが―。想像を絶する仰天の仕掛けと、人間の飽くなき欲望を描いたミステリーの傑作!
著者等紹介
連城三紀彦[レンジョウミキヒコ]
1948年、愛知県名古屋市生れ。早稲田大学政治経済学部卒。77年に「変調二人羽織」で「幻影城」新人賞を受賞しデビュー。81年に「戻り川心中」で日本推理作家協会賞、84年に『宵待草夜情』で吉川英治文学新人賞、同年『恋文』で直木賞、96年に『隠れ菊』で柴田錬三郎賞を受賞。2013年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
小梅さん。
12
新装版の発売ということで久しぶりの再読。 わざとに憎んでいる相手に自分を殺させたレイコ。 自分が殺したと思っている人間が7人?! ざっくりとはそのやり方は想像していても、その全貌にはやはり呆然。 なんてことだろう。 そこまで色んな事を憎まずにいられないなんて悲しい。 人もうらやむような美貌で世界的なモデルという地位も羨望の的であるだろうに。 でも、それは彼女の全てが食い尽くされた結果だというのか、、、 せめて最後の最後にだけでも、彼女の心に安らぎがあったのことを願わずにいられない。2021/09/05
練りようかん
8
『ミステリースクール』きっかけ。誰かに殺されたがっている女。被害者の意図を探るミステリーで始めから興味を引かれた。女がターゲットにした7人の誰か達がその後の章で視点を担い、警察の逮捕や殺害を告白する遺書を横目に彼らの真実のストーリーが展開。面白くさせたのは犯行時刻に幅を持たせたことで、誰もが可能性を持ち『オリエント急行〜』を一瞬想起した。しかしそれとは事件の奥行きが違うのも感覚的にわかり、3Wより気になるのは複数の犯人が単独犯であり得るなぜ、で好奇心が疼いた。毒のグラスが上手い伏線で唸った。楽しかった。2024/04/24
おぴよ
5
7回殺されるヒロイン!今まで読んだことがない展開で、外国の映画みたいと思った。2021/08/28
左近
2
人気モデルの服毒死。婚約破棄された医師が容疑者として逮捕される一方で、自分こそが犯人だと思い込む7人の関係者…エログロ感漂う世界は、ある意味で昭和の小説っぽい。しかし、それ以上にぶっ飛んだ、無茶苦茶寸前のトリックは新本格そのもの。1984年の発表以来、何度も再刊されたというのも納得。双葉文庫の伊坂幸太郎復刊熱望シリーズ計3冊に続き、今年に入ってから4冊目の連城三紀彦だが、今のところ、ミステリ的には本書がベスト。2021/08/30
コキア
1
百田尚樹のモンスターでも、この本の事故で顔を整形した女性にも共通してることは、顔は整形で美しくなったけれど、身体(スタイル)も都合よく元々良かったということ。それで男を魅了する。 男性作者が書く小説っぽい、 ミステリーはたまにしか読まないけれど勢いがありぐいぐい読める。 被害者と加害者が重なり合った奇妙な事件。 七つの異なる変奏曲ね、上手く表現してる お金も力もある業界の上の方にいる人達の話なので共感できるところはなかった、 執念が怖かった 美貌も野心も持ち合わせてなくてよかったと思う2023/06/29