出版社内容情報
十年前、京都の引っ越しパーティーに居合わせた男女。30代になった彼らが、今宵再会する……行定勲監督がいち早く、紙上映画化!
柴崎 友香[シバサキ トモカ]
著・文・その他
内容説明
十年前、京都で引っ越しパーティーに居合わせた男女。それぞれの時間を生き、つきあっていたカップルは別れ、変わったり変わらなかったりしながら30代になった彼らが、今夜再会する。中沢が鴨川沿いにオープンさせたバルに集まった面々に、今日もさまざまな「できごと」が起きる。行定勲監督が、なんと、紙上映画化した書き下ろし小説「鴨川晴れ待ち」を収録。
著者等紹介
柴崎友香[シバサキトモカ]
1973年、大阪府生まれ。2000年、『きょうのできごと』で作家デビュー。『その街の今は』で芸術選奨文部科学大臣新人賞、織田作之助賞大賞、咲くやこの花賞、『寝ても覚めても』で野間文芸新人賞、『春の庭』で芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さてさて
126
『十年がこんなにすぐに過ぎるもんだとは思っていなかった。自分が三十歳を過ぎるなんて、思っていなかった』。前作「きょうのできごと」から十年経った先の彼らの日常を再び切り取っていくこの作品。そこには、十年後に京都で再会したあの面々の今の姿が描かれていました。行定勲監督が”やはり、人生は面倒くさくて、いろいろあるもんだなとしみじみ思った”と語る中に、十年を経た彼らの中に過去の面影を探してしまうこの作品。こうなったら、その先の十年、さらにその先の…と彼らのさらなるその後も知りたくなってもしまう、そんな作品でした。2024/09/06
hiro
92
四年前に単行本でこの作品を読んだが、『きょうのできごと』の増補新版と合わせて再読した。十年前、京都の大学院に進む正道の進学と引っ越し祝いに集まったけいと、真紀、中沢、かわち。あれから十年、今度は中沢の京都の店のパーティーに集まった彼らを描いた、この『十年後』。前回読んで覚えていたのは、中沢のベンツのことと、社会人になった彼らが、あまり会わなくなっていたということだった。再読して改めて、卒業し社会人になり、住むところも違い、そして十年も経つと、以前の関係と違って当然かもしれないが、なにか寂しく感じた。2019/05/11
hiro
42
京都の大学院へ進学する正道の引っ越しパーティーに集まった仲間達の一日を描いた『きょうのできごと』の続編。あれから十年、今度は中沢の京都の店のパーティーに集まる三十代になったあの仲間達の一日を描いた作品。今回もけいと、真紀、かわち、中沢、正道それぞれのきょうのできごとを中心にしたパーティーの日の話が進み、前作からの登場人物との再会を楽しめた。しかし前作を読み終えた後に思い描いていた未来とは違う現実が待っている。お恥ずかしながらすでにこの作品2回読んでいたが、覚えていたのは中沢の車に起こったことだけだった。 2024/09/06
ぶんこ
37
読む気がなかったのに、何となく読み始めたら最後まで読んでしまいました。大学院生と彼女たちの引越し祝いから10年後。院に残ったのは正道君だけで、中沢君が開いたお店のパーティーに集まった面々。皆社会人となって少しは落ち着いたのかと思ったら、まだまだ酔っ払うとハッチャケています。こうして発散できるのがいいのかなとも思ったりして、10年前の物語よりは読みやすかったです。あれだけ共感できなかった本を書いた柴崎さんなのに、今回はすんなり読み進めたという事で、改めて作家さんの才能はすごいものだと感嘆しました。2018/07/22
HMax
33
10年経っても、やっぱり飲みすぎ。それでも学生時代とは違う、「さびしいね、そんなに簡単に、夢中になられへんね。もう」、キカと中沢の感じる10年の長さ、「気づいたら過ぎてるもんや、10年なんか」、それにしても中沢、ついてないなぁ。 大昔に見た智積院の紅葉、10年後には見れるか? 備考:「きょうのできごと」の解説にあることを気にして読むと、意外に時間がかかったけど、いつもと違う面白さもありました。2020/11/28
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