出版社内容情報
全集別巻待望の文庫化。辻邦生、陣内秀信、森まゆみ、池澤夏樹、三浦雅士、川本三郎、丸谷才一などとの会話から須賀敦子の肉声が響く
須賀 敦子[スガ アツコ]
著・文・その他
内容説明
生来の話し上手が創り出す、愉しいおしゃべりのひととき。没後二十年、待望の文庫化。文学について、人生について、イタリアのこと、夫のこと…会う人を惹きつけてやまなかった須賀敦子の語りを満載。
目次
対談・鼎談1(西欧的なるものをめぐって/辻邦生;豊富な知識が本の楽しさを倍加する/向井敏;ゆらめく伝統の陰翳/アラン・コルノー;女の遊び/大竹昭子;歴史的都心を豊かに育むイタリア/陣内秀信 ほか)
対談・鼎談2―机の本ベッドの本(『バスラーの白い空から』佐野英二郎著/菅野昭正;『日本橋魚河岸と文化学院の思い出』金窪キミ著/菅野昭正;『氷上旅日記』ヴェルナー・ヘルツォーク著/三浦雅士;『アッシジ』エリオ・チオル写真集/三浦雅士;『犬婿入り』多和田葉子著/三浦雅士 ほか)
著者等紹介
須賀敦子[スガアツコ]
1929‐98年。兵庫県生まれ。聖心女子大学卒業。上智大学比較文化学部教授。1991年、『ミラノ霧の風景』で女流文学賞、講談社エッセイ賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
102
ハードカバーで読んでいるのですが文庫版が今年だされたので再読です。対談・鼎談というkとではなしことばで書かれているので非常に読みやすくなっています。対談相手がまた素晴らしい人々で、読んでいて非常に参考になることが多いのです。後半は主に本についての対談で読んでいくとその対談者の考え方というのがはっきりしてきます。いい本です。2018/11/28
佐島楓
63
須賀さんの御本を読み、ご本人はどういう語り口のかただったのだろうと気になって手に取った。対談・鼎談集ということで、肉声がそのまま写し取られており、大変楽しく読んだ。イタリアとドイツやフランスとの比較論、マルチリンガルであった須賀さんの創作に対する姿勢など読み応えがあり、チャーミングな一面も感じ取れて読めてよかったと思う。多文化を知り、深い洞察があったからこその作品群だったのだろう。まだ全集で読んでいないものが多く、楽しみ。2018/08/15
はっせー
51
須賀敦子全集の最後。別巻の対談集。全集の中で一番読みやすかった!対談集ということもあり、相手も豪華。向井敏。池澤夏樹。丸谷才一。などなど。どれもビッグネームだろう。そんな人たちとの話はどれも刺激的であり、知的であった。須賀敦子さんの話は深くそして聞き上手な気がした。相手の話を受け、話を深めながらも話が違う方へ展開される。須賀敦子全集。読めて良かった!全集はまた読みたい!2024/10/05
ぞしま
23
旅先で。タブッキの対談などムックで既に読んだものもあったが、とても良かった。どんな風に須賀さんは話していたのか、話法とか語り口ではなく、しゃべり方を合間に想像しながら。以外な固有名詞も出てくるのが新鮮だったり、あきれるほどの博識さがまったく嫌味でないのをなぜかと考えてみたり、ふとしたやり取りからお人柄を想像してみたり。なぜ日本に帰ってきたのか?とか夫に先立たれて……いうようなことの話をされているときは、さらっとしているが、こちらが緊張に似たこわばりを感じてしまう。そんなこと話しきれる訳がないよな、とか。2018/09/16
kaoru
19
須賀敦子さんが亡くなって21年。この対談・鼎談集には様々な文学者が相手を務めているが、内容の充実ぶりに圧倒される。小野寺健さんを相手に『ブライズヘッドふたたび』を語る箇所で「45年に出ているから、まだ原爆を知らない戦争…まだ人間がコントロールできる戦争だった」「現代社会というのは、私たちにはとてももう抵抗できない、何か強い、おそろしい力みたいなものがある」という須賀さんの先見性に感じ入る。日本文学に精通しつつヨーロッパを肌で知る須賀さんだから理解しえた数々を、エッセイとは違う形で味わえるまたとない一冊。2019/12/17