出版社内容情報
没後十年。「きれいな手」「ぼんやり者と恋愛」…児童文学の世界に偉大な功績を残した著者の生活随筆集を、再編集し待望の文庫化。
石井 桃子[イシイ モモコ]
著・文・その他
内容説明
変わりゆく日本という国のこと、ことばについて、友だちのこと、恋愛観、暮らしのあれこれ…明治・大正・昭和・平成を、作家、翻訳家、編集者として子どもの本の世界に生きた石井桃子の随筆集。世の中を澄んだ目でながめ、ひとりの生活者の視点から綴られたことばは、ほんとうにゆたかな生活とは何かを、忙しい現代に生きる私たちに問いかけてくる。
目次
きれいな手
仏頂づらは不道徳
根無草
外がわと内がわ
脳を使わない人
人間くささ
みがけば光る
「文化の日」に考える
いそがしい世の中
ある連想〔ほか〕
著者等紹介
石井桃子[イシイモモコ]
1907年、埼玉県浦和に生まれる。28年、日本女子大学校英文学部卒業後、出版に従事。戦後、宮城県鴬沢で農業・酪農を始める。その後、編集者、翻訳家、児童文学作家として活躍。58年、自宅の一室に子どもの図書室「かつら文庫」を開く(のちに公益財団法人東京子ども図書館へ発展)。2008年、101歳で逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はるき
41
表紙とタイトルに惹かれて。言葉の選び方がなんとも円やかで心地よい。長く長く、文学と向き合った方の素敵な随筆。綺麗な言葉に触れることができて嬉しいです。2018/06/20
あ げ こ
16
石井桃子の文章は何と言うか、完璧である。その的確さ、過不足のなさ。何一つ欠けることなく、すべてが充分の状態であると感じる。まずわからないと言うことがない。いつも目の前の言葉を使う。身遠く、見慣れぬ言葉ではなく、身近な、自らが暮し、生活している今の内にある言葉だけを。〈朝にできて、夕に消える、まだ内容もきまっていないことばも多いけれど、そうでなく、長く使われて-私たちの生命よりも長く使われながら、聞く者、読む者に何を考えたらいいか、迷わせることばがある。〉…自らの手元や周囲にある言葉に関心を抱き続けること。2021/12/17
Ribes triste
13
これまで読んできた児童文学と違い、エッセイでは素の石井桃子さんに出会えた気がしました。研ぎ澄まされた感性と、心の根っこの部分はどっしりと揺るがない世界観があり、すっくと立った大きな木のようでした。2019/08/14
あ げ こ
13
まことに豪華な交流の数々。一つ一つが途方もなく貴重なものであるように思えてならないエピソードの数々。けれど納得する。集まる所に集まるのだと。然るべきそれら。高次の相応であるそれら。煌めいている。輝いている。どこを見ても大切なものしかない。ちゃんと聞きたいお話しかない。全部が聞き所。井伏鱒二の「太宰君、あなたがすきでしたね。」からはじまる一連のやりとりなど特に、一生忘れないと思う。簡単に片付けてしまいたくない。簡単に断じてしまいたくない。石井桃子の言葉をそのまま、その掴みがたさ、複雑さごと覚え続けていたい。2018/04/02
椿 釦
7
本当に石井桃子さんが好きだ。今の時代ではない、というだけで言っていることの強さと揺るがなさたるや。昔の価値観だ。古臭いこと言っているな、という要素がまるでない。今の自分の先生だ。タイトルの「みがけば光る」とは自分のことではなくて、若者の流行り言葉や乱れていると言われる言葉のこと。「これから先、日本人がしんぼうづよくこれにみがきをかければ、いい返事になるかもしれないではないか。」という柔軟さ。今で言う、~させていだだく、に目くじら立てるよりこんなこと言えるようになりたい。2018/08/31
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