出版社内容情報
都内の暴力団が何者かに殲滅され、居合わせた刑事が重傷を負う事件が発生。その裏では、東京中をパニックに陥れるさらなる計画が!
内容説明
都内の暴力団が白昼、何者かの手で殲滅され、偶然居合わせた刑事2人も重傷を負う事件が発生!警視庁の威信をかけた捜査が進む裏で、東京中をパニックに陥れる計画が静かに動き出していた。ドジを踏んで捜査本部から外され、遊軍班として、別の角度から捜査を始めた海月と設楽。果たして、東京を守ることはできるのか!?
著者等紹介
似鳥鶏[ニタドリケイ]
1981年千葉県生まれ。2006年、第16回鮎川哲也賞佳作入選の『理由あって冬に出る』(創元推理文庫)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ユメ
42
このシリーズが扱う犯罪は苛酷で、甘いハッピーエンドも安易な勧善懲悪も用意されていない。犯人が闇に堕ちた理由を知ってしまえばやるせなくなる。それでも私は、有事の際に群衆が見せる行動に一抹の希望を見出す。ヒーローになりたいと願うのはエゴだ。でも、そのエゴが人を救うことがある。だから人間は醜く美しい。しかし、本書は単なる人間讃歌でもない。傍観者心理という言葉は私たちの心に重くのしかかり、正義感を鋭く問う。これだけのストーリーをキャラ設定によって軽やかさも失わずに読ませるのだから、似鳥さんには敬服するほかない。2018/01/06
coco夏ko10角
28
シリーズ第3弾。今回の事件も大きいなぁ。設楽さんの負傷っぷり大丈夫なのか…。名無しさんすごすぎる。魅力的なキャラが多くて楽しい、今回登場した監察医の出良さんもいいキャラしてる。出良さんの雑感を基にして捜査をすすめるスピンオフ短編集があったら面白そう。シリーズ色々つながってるみたいだし次巻も早めに読みたい。2019/05/14
TAMA
27
2017年90冊目。登録1960冊目。切の良いところで久しぶりの戦力外捜査官第3弾。交錯する事件が一つにまとまっていく流れは面白かった。次に繋がるキャラの登場で、今後の展開にも期待。アクションシーンが多いので、映像向きでもあるなぁ、と。2017/10/09
hydrangea
25
事件の背景の重さが、正義とは何かという難しい問いを投げかけています。自分がもしその立場で、かつ名無しのような存在がいたとして、闇に堕ちない意識を保つことができるのかどうか。今作もコミカルな表紙とは相反するハードな内容で愉しめる一冊だと思います。2020/05/06
Yuki
20
都内で、白昼堂々と一般市民が銃撃され死傷者が出る事件が発生。事件を追う中で、「名無し」と呼ばれる殺し屋の存在が浮上。暴力団の内部抗争がらみかと思われた事件の裏には…。 海月警部と設楽さんのコンビの、コミカルなやり取りが楽しいシリーズですが、内容は人間の悪意を深く掘り下げていて、かなり骨太です。今回も読み応えがあり、とても満足でした。2019/12/10