出版社内容情報
萩尾望都の圧倒的幻想世界。1977~80年発表のSF小説11編、単行本未収録の2作ほか、異世界へ導かれる全16編を収録。
内容説明
萩尾望都の圧倒的幻想世界。77~80年発表のSF小説11編に加え、貴重な単行本未収録作やマンガ2編も特別掲載。異世界へ導かれる全16編。
著者等紹介
萩尾望都[ハギオモト]
1949年、福岡県生まれ。SFやファンタジーなどを巧みに取り入れた壮大な作風で唯一無二の世界観を表現。『ポーの一族』『11人いる!』で第21回小学館漫画賞(1976年)、『残酷な神が支配する』で第1回手塚治虫文化賞マンガ優秀賞(1997年)、『バルバラ異界』で第27回日本SF大賞(2006年)ほか受賞多数。2012年には少女漫画家として初の紫綬褒章を受章。2017年に朝日賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
honoka
45
宝箱のような短編集。昔、夢のようだと思っていたモー様の描く世界はほぼリアルとなっているのに驚かされる今日この頃。今作も更なる未来を予知しているようで空恐ろしい気分にさせられる。膨大な想像力と作画力。本当に同じ時を生きている人間なのかと驚愕とともに敬服。漫画「左ききのイザン」の前編として書かれた小説「ヘルマロッド殺し」が共に収録されているのに感無量。2017/08/14
♪みどりpiyopiyo♪
39
はじめ、そこは黄土色の広野であった。ある日、北の果てよりひとりの"大神"が現れ… ■少女漫画の大御所の小説集を読みました。萩尾望都の幻想世界。表題作は170ページ程の中編。他に、3〜50ページ程の小品が15編(内2編が漫画)■この世代の少女漫画家には、神話的なSFを得意とする人が何人か居ますが、著者もその1人。この本もその趣向を継いだ 宇宙と異世界を巡るSFとファンタジーが楽しめます。■静かに心に流れ込んだりコミカルだったり。なるほどこれが萩尾望都か、と感じ入りました。(初出 1977〜2003年)(→続2018/05/02
えーた
20
萩尾望都の小説集。表題作「美し神の伝え」を含め、全体的にレイ・ブラッドベリを彷彿させる不気味で美しい物語が並ぶ。奈良の新薬師寺の十二神将が動き出すコミカル作品『守り人たち』、怖いほうのモリミーを思わせるホラー作品『クレバス』、たぶんご自身の体験をもとにして書かれた『マンガ原人』等々、多種多様な作品があって楽しい。「世界の半分は夢でできている」という一節が心から離れない『クリュシュナの季節』、少しポーの一族っぽい『左手のパズル』が特にいいと思いました。昔の少女漫画家の方って本当に神懸った作品を書かれますね。2021/07/19
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18
上下や前後は絶対的なのに、なぜ左右だけが相対的なの。この世界で僕は左利きなのに、鏡の中のセカイではミギキキで。右が左で、左が右で。この世界とあのセカイ。僕はどちらにいるのだろう。貴方がキスした手の甲。この手は右手だったのか、左手だったのか。その答えを聞いてはじめて左右が絶対的になる。2021/02/06
阿部義彦
18
河出文庫です。半分以上は70年代後半に雑誌「奇想天外」に発表されたものです。私の50%はSFで出来ていると御本人も認める通りにSFファンタジー色の強い作品です。2018/01/13