出版社内容情報
「一度の過ちもせずに、君は人生を終えられると思う?」――いま、世界中で翻訳&絶賛される作家が贈る、13の「生」の物語。
中村 文則[ナカムラ フミノリ]
1977年愛知県生まれ。2002年『銃』で新潮新人賞を受賞しデビュー。年『遮光』で野間文芸新人賞、『土の中の子供』で芥川賞、『掏摸』で大江健三郎賞、『私の消滅』でドゥマゴ文学賞を受賞。著書多数。
内容説明
「一度の過ちもせずに、君は人生を終えられると思う?」女の後をつける男、罪の快楽、苦しみを交換する人々、妖怪の村に迷い込んだ男、首つりロープのたれる部屋で飛び跳ねる三つのボール、無情な決断を迫られる軍人、小説のために、身近な女性の死を完全に忘れ原稿を書き上げてしまった作家―。いま世界中で翻訳される作家の、多彩な魅力が溢れ出す13の「生」の物語。
著者等紹介
中村文則[ナカムラフミノリ]
1977年愛知県生まれ。2002年『銃』で新潮新人賞を受賞しデビュー。04年『遮光』で野間文芸新人賞。05年『土の中の子供』で芥川賞、10年『掏摸』で大江健三郎賞を受賞。12年『掏摸』の英訳が米紙ウォール・ストリート・ジャーナルの年間ベスト10小説に選ばれる。作品は各国で翻訳され、14年David L.Goodis賞(米)を受賞。16年『私の消滅』でドゥマゴ文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
157
あぁ、こういうのが読みたかったの。中村文則なら、こうきてほしい。まさに、ここ。最近、彼の作品を開けるたびに、違う、そうじゃないの、こういうことじゃない って気持ちがずっとあった。暗い、底のない闇の中、蓋を開けられない欲望が蠢いていて、一触即発な危うさを孕む、そんな短編たち。今回は少し情けない笑みをもれる作品もあったが、それはそれでのお伽噺。そして最後の話。作家としての苦悩、ヒトとして許されぬ小説の書き方となったとしても生み出したい名作への葛藤。たまんない。すぐ手元に置いておく。眠れぬ夜のために。2020/01/14
ピロ麻呂
71
まさに中村文則が作り出す闇の世界に引きずり込まれた感じ。文章は難解で、伝えたいことを考えながら読んだけど、理解不能なところも数多く…自分の読解力のなさを身にしみて感じました(>_<)鳥が異常発生して日本を埋め尽くす話は…夢に出てきそう~(^_^;)2017/06/09
TAKA
70
なんやらわからない状態が何編か続くと断念しょうかどうしょうか迷い、先に著者の解説をみて終わりの章から読んでみるとなんやら状態から抜け出せました。「信者たち」はよかったです、神の冒涜ですよ(笑)「晩餐は続く」は江戸川乱歩のようでした。「A」「B」は戦争がテーマでこれは反戦を直球でした。短編集の寄せ集めらしのですが、それにしても難解というか深いというか斬新というかなんとも例えようがないけど毒が抜ける感じがよいです。2022/02/22
yu
69
読了。読み終わるのに、凄く時間がかかった。中村さんは生きたいのか、死にたいのか。生きるということに、どうも執着がなく思えてならない。「死なないから生きている」というようにしか思えない。あとがきに「こらから世界は恐らく、どんどん生き難いものになったいくと思う。でも希望は捨てないように。共に生きましょう」とある。中村さん、本当にそう思っていますか?これからの世界に、希望を観ていますか? そんな疑問ばかりが頭を占めるのに、中村さんの作品を読むことを止めれないこの強烈な引力が、この人の魅力なのかもしれない。2018/09/15
スカラベ
67
いくつかの文芸雑誌に掲載された13作品を集めた短編集。なので、それぞれ違った味わいなのだが、色がくっきりと分かれていて千差万別。文章の表現力は圧倒的で、すーっと染み入り読みやすい。しかし、特に前半の作品群は、エログロでハチャメチャな筒井作品をも想起させられる内容に、ちょっと腰が引けてしまう。かと思えば、「妖怪の村」では、婉曲的に国と繋がる企業の悪を描き、寓話の形で風刺している。また、「A」では戦争当時の外地に赴いた日本軍隊の中で、人が落ちていくその狂気が炙り出され、「B」では従軍慰安婦が直載的に描かれる。2017/07/20
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