出版社内容情報
かつて日本には旅芸人がいた。定住できない人々は、手仕事の合間、正月などには予祝芸をもって、全国を渡り歩いた。その実際を描く。
沖浦 和光[オキウラ カズテル]
1972年、大阪生まれ、東京大学文学部卒業。比較文化論、社会思想史専攻。桃山学院大学名誉教授。主著に『アジアの聖と賎』『日本の聖と賎(三部作)』(以上四作は野間宏との共著)『近代の崩壊と人類史の未来』『竹の民俗史』『辺界の輝き』(五木寛之との共著)『陰陽師の原像』『幻の漂白民・サンカ』『「芸能と差別」の深層』(三國連太郎との共著)『「悪所」の民俗誌』『日本民衆文化の原郷』『旅芸人のいた風景』など。
内容説明
「物乞い、旅芸人、村に入るべからず」―川端康成「伊豆の踊子」で、旅役者たちは忌避され、賎視される。放浪の被差別芸人がどうして生まれ、どう暮らしてきたか、実見を踏まえて細かく掘り下げる。被差別民が辿り着いた予祝芸の世界と、修験者の呪いから香具師の大道芸に到る芸能の起源を探る。
目次
第1章 街道に生きる遊芸民
第2章 「物乞い、旅芸人、村に入るべからず」
第3章 ドサ回りの一座と役者村
第4章 香具師は縁日の花形だった
第5章 医薬業と呪術の世界
第6章 遊芸民を抑圧した明治新政府
まとめ 旅芸人の生きてきた世界
著者等紹介
沖浦和光[オキウラカズテル]
1927年、大阪生まれ。民俗学者・歴史学者。桃山学院大学で比較文化論・アジア思想史を講義しつつ、各地の被差別部落の伝承と生活を聞き書きし、日本民衆文化論を構築した。2015年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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