出版社内容情報
『人生劇場』の作家の、時代小説決定版。真田十勇士たちとの関わりの中で、徳川の圧力に抗した幸村の正義と智謀の生涯を描く。
【著者紹介】
1898ー1964 作家。横綱審議委員。『人生劇場』など。文化功労者。
内容説明
家康に靡かず、志をまげず、上野の地から、一路故地、上田を目指す。上田城では、秀忠の軍勢を、さんざんに翻弄し、釘付けにする。九度山麓での隠栖、雌伏十余年、ついに大坂城からの招請が。いざ真田丸出陣―。花の女性を鏤めつつ十勇士も奮迅の働き…豪艶雄渾に描く、驍将の生涯。大ロングセラー記念復刊。
著者等紹介
尾崎士郎[オザキシロウ]
1898年、愛知県生まれ。作家。早稲田大学在学中は社会主義に傾倒、“早稲田騒動”で退学。戦中は国粋主義に接近、戦後公職追放。『人生劇場』七部作は国民文学となった。他の作品に『天皇機関説』(文藝春秋読者賞)など。1964年没。相撲通で横綱審議委員も務めた。文化功労者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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uburoi
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『人生劇場』の作者が描く真田の戦い。最終章が「真田丸」で、大阪の陣の時に真田隊が築いた砦の名だ。関ヶ原から九度山麓での隠棲、昌幸の死を経て大阪城で徳川軍をまさに迎えんというところまでの物語である。この小説(特に前半)真田親子はほとんど姿を見せず、主に活躍するのは猿飛信濃守佐助と三好清海、それに霧隠才蔵というおなじみの真田の家来衆だ。しかし背後に幸村たちの存在は濃く感じられるという筆の進め方である。全体の調子は明るく前向きであって、その点三谷版『真田丸』にも通じていると思う。2016/03/19