出版社内容情報
「この凶器はお前のものだ」あたしの夢の中で、死神は言った――言葉という武器で世界と対峙する、史上最年少15歳の文藝賞受賞作。
【著者紹介】
1990年生まれ。2005年「平成マシンガンズ」で、第42回文藝賞を、史上最年少15歳で受賞する。
内容説明
逃げた母親、横暴な父親と愛人、そして戦場のような中学校…逃げ場のないあたしの夢には毎週、死神が降臨する。黒いTシャツにジーンズをはいた“そいつ”は、「誰でもいいから撃ってみろ」と、あたしにマシンガンを渡すのだが!?言葉という武器で世界と対峙する、史上最年少15歳での衝撃の文藝賞受賞作。「穴」を併録。
著者等紹介
三並夏[ミナミナツ]
1990年、静岡県生まれ。2005年「平成マシンガンズ」で、第42回文藝賞を、史上最年少15歳で受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オリックスバファローズ
62
学校で孤立し、家庭内でも疎外されていた女子中学生。描かれている状況は珍しくないが、ローティーンの心情に寄り添った、粒立ちのいいコトバがこの作品では踊っていた。史上最年少15歳で衝撃の文藝賞受賞作品2018/04/22
はつばあば
42
15歳の作家さんが書いた本を、15歳のお気に入りさんが読んだレビューを見て、4倍以上年を喰った婆さんが思わず本に手を出して火傷をした気分です。今の子供達の置かれている現実社会。痛々しい程だ。一週間前の川崎事件でも、何故大人が気付いてやれなかったのかと。大人の世界の醜さは、子供にも充分伝わっている。見て見ぬ振りをするというエゴを。そのうち子供は大人になり同じように傷つける。負の連鎖だ。本の中でホントに優しいホッコリする作品を提供して下さる作家さんも多い。そんな世界は本だけの話でいいのだろうか。2015/02/27
Kanako
21
主人公のあまりの行き場のなさと、自分の力ではどうすることも出来ないその苦悩さえ、行き場がなく誰に届くこともない。女子中学生特有の嫌なハブの空気感や、急に手のひらを返してくる友人の冷たい饒舌さの描写がリアル。家庭もただだだ醜く歪んでいて、主人公が将来自分の足で自由に居場所を選び取れることをただだだ願う。2021/06/15
Nagisa
18
私と同い年の方が書かれた作品という事で、読んでみた。15歳にして語彙力が多いと思う。風の中を突っ走っていくような言葉の使い方が特徴的だと感じた。若さにあふれる作品で、15歳の私に、理解できる部分があった。2015/01/29
オリックスバファローズ
9
史上最年少の文藝賞受賞作品 学校で孤立し、家庭内でも疎外されていた女子中学生。描かれている状況は珍しくはないが、ローティーンの心情に寄り添った、粒立ちのいいコトバが踊っていた。2019/06/24