河出文庫<br> 鬼の詩/生きいそぎの記―藤本義一傑作選

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河出文庫
鬼の詩/生きいそぎの記―藤本義一傑作選

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  • サイズ 文庫判/ページ数 292p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784309412160
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

二〇一二年に惜しまれて亡くなった稀才の代表的傑作集。鬼気迫る落語家の魂を描いて直木賞受賞の「鬼の詩」、師に“追随”する漫才師を描く「贋芸人抄」、三味線の天才娘の悲劇「下座地獄」、運命の師、映画監督川島雄三との決定的な体験を描いた「生きいそぎの記」と講演。その後の作家の姿がここにある。

著者等紹介

藤本義一[フジモトギイチ]
1933年、大阪府生まれ。作家。大阪府立大学卒。在学中にラジオドラマ、舞台劇の脚本募集に応募し、懸賞荒らしとなる。「つばくろの歌」で芸術祭長編部門文部大臣賞。宝塚映画撮影所で監督の川島雄三と出会い薫陶を受け、『貸間あり』の脚本共作に従う。その後、小説に転じ、「鬼の詩」で直木賞受賞。主な作品に、「螢の宿 わが織田作」(四部作/日本文芸大賞)など。TV「11PM」の司会者を長く務めた。2012年、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

187
第71回(1974年)直木賞。 桂馬喬という大阪芸人の生き様を 活写した作品である。芸に生きる馬喬の 執念が凄まじい …几帳面さと 異常さが交錯し、 芸に打ち込む馬喬の人生 …大阪の芸人の情念が 哀しさが しっかりと描き込まれている、そんな作品だった。 2017/09/22

harass

53
著者の傑作短篇集。正直この一冊だけでこの作家は十分かと。直木賞受賞作『鬼の詩』は実在の幕末の落語家をモデルにした小説。映画化されていて偶然に深夜番組で見ていたのを思い出した。芸の道を突き進めて実際に堕ちていきギリギリの生き様を見世物にする。ほかに底辺の上方芸人の小説が二編。川島雄三監督との仕事と付き合いを描く『生きいそぎの記』はこの鬼才を語る上で重要な作品で、文庫で読めるのは素晴らしい。進行性筋萎縮の難病を持っていて酒と女と芸術に打ち込んだ売れっ子の映画監督の言動をまとめている。ぜひおすすめの本。2014/10/17

更夜

15
直木賞受賞した『鬼の詩』を含む映画人や大正・昭和の上方芸人の姿を描く4篇と川島雄三監督の思い出を語った講演が含まれています。時代は違うのかもしれませんが、芸というものに命を張る人びとの地獄をこれでもか、と描いていてとても重い小説集でした。人を笑わせ、楽しませる、映画といった娯楽なのに、それを作り出す、演じる人たちの苦しみや葛藤を厳格な文章で描き出します。読んで、ぐったり。2015/08/30

メデスキ

5
名前を冠した賞が出来るとのころで、再読。『鬼の詩』は文学とは思えないが、エンタメ感を満載した迫力な狂気が凄いよね。他の短編もそうだが、底辺描くのにブレがねえ。

みんさね 

5
川島監督とのやりとりは、才能の対決、緊張すら感じました。そして、面白かった。もっと筆者の著作、探してみます。2013/05/02

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