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河出文庫
ヴォイセズ/ヴァニーユ/太陽の涙

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  • サイズ 文庫判/ページ数 261p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784309412146
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

美樹は航空機の安全な運行をになう航空管制官。聴覚異常に苦しめられる彼女は、街で出会った盲目の男と恋に落ち、かつてない世界へと開かれてゆく(「ヴォイセズ」)。/原発事故前に書かれた予言的衝撃作「太陽の涙」、欠落の意味を問う「ヴァニーユ」、著者の代表作を一冊に。

著者等紹介

赤坂真理[アカサカマリ]
1964年東京生まれ。2012年、少女の目で「戦後」を問う長篇『東京プリズン』で、毎日出版文化賞、司馬遼太郎賞を受賞。1997年『蝶の皮膚の下』(河出文庫)でデビュー以来、メカニカルさと有機性が絶妙に融合した感性で、人間の本質に迫り、常に注目を集めてきた。映画化された『ヴァイブレータ』(講談社文庫)、野間文芸新人賞受賞作「ミューズ」などの作品がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

James Hayashi

20
4つの短編・中編集だがかなり深い。性描写はかなり繊細に。原発は抽象的に。しかし本質を抉り出すかの様な文体。難しい。2021/01/21

ちぇけら

20
からだじゅうの襞を感じる夜に、肌の傷は触れると敏感なのだから、あなたが入ってきたときも、ゆめをみていた。あなたの不在にあらゆる感覚が研ぎ澄まされて、やがて鋭い快感は感覚を通過してdirectでわたしに刺さって脳天まで痺れる。「噛んで。傷を噛んで」どこまでも鋭くなれる気がして、傷はわたしのしるしだった。beerを垂れ流したすべての鳥肌があなたを感じすぎて、湿った空洞は音をたてて湿る。ねえ、今夜わたしたちどこまででもいける。ひとりぼっちの傷だらけの肌が吸いあって離れないように、毛布の膜のなかで、ねえ、あなた。2019/07/04

rakim

5
性が感情を伴って豊かになっていくものじゃないこともある。身体の欲求だけじゃないこともある。パーソナルな関係性のない性を求める感情は女性にも確かにあるのでしょう。行きずりだからこその濃密さは後にどのようにでも自己完結できるものだから。たまらなく五感が研ぎ澄まされそうな「ヴォイセズ」、喪失を愛おしみ再生は元に戻ることじゃないと気がつかせる「ヴァニーユ」、原発の根本的な疑問にも思える「太陽の涙」。どれも好き。2020/04/20

k.kishida

3
「東京プリズン」が評判になり知った作家さんです。これまでどんな作品を書いているんだろうと、初期の作品をいくつか読んでいます。「感覚」がとんがっていくというか、強烈に光り輝いていくというかそういう印象ですね。「聴覚」や「触覚」といった感覚を極限まで削り取っていく、そのときの感じが表現されている、新鮮な作品でした。2014/02/06

Y

0
2017/01/13

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