内容説明
まだ山が山であった頃の、むかしの山登りの話。日本アルプス黎明期の開拓、初縦走、初登攀から、憧れの山、久恋の山への想いを綴る名随筆集。北海道から九州までの名峰二十余座の山岳紀行文集成。芥川龍之介、大町桂月、木暮理太郎、小島烏水…24人の、純粋な山へ寄せる愛情がみずみずしく溢れる、すべての岳人に贈る一冊。
目次
富士へ―千九百〇九年八月(竹久夢二)
槍ケ嶽紀行(芥川龍之介)
日本高嶺の堂(大町桂月)
穂高岳槍ヶ岳縦走記(鵜殿正雄)
頂の憩い(大島亮吉)
穂高星夜(書上喜太郎)
穂高岳屏風岩(小川登喜男)
越中剣岳(木暮理太郎)
立山頂上雄山神社(加藤泰三)
白馬山登攀記(河東碧梧桐)〔ほか〕
著者等紹介
今福龍太[イマフクリュウタ]
1955年、東京生まれ。文化人類学者、批評家。東京外国語大学大学院教授、野外学舎の奄美自由大学主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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HANA
13
竹久夢二、芥川龍之介はじめ昔の文人、登山家の文章を集めた一冊。山の自然を四季豊かに書き表したのもあれば、単なる記録といった趣のものもあるが、総じて山に来れた嬉しさを表したものばかりであった。主な舞台は日本アルプスであるが、一応北海道から九州まで日本の各山々は網羅されている。2012/04/21
ハチアカデミー
8
C+ 人は何故山に登るのか、その頂上を目指すのかー そこには確たる理由など無い。山に登るとき人は、一つの生物となる。生きるか死ぬか、踏破できるか否か、に全てをかける。本書は芥川、竹久夢二、寺田寅彦ら著名人から、山岳関係の著作を残した有名無名の書き手達の散文集である。文章を味わうだけなら、寺田寅彦のものがずば抜けて面白いが、本書の主眼はそこだけではない。人が、日本人が、ただ愛でるだけでなく、登る対象として見た山の姿を照らし出すことをもくろむアンソロジーとなっている。小島烏水氏の文章が印象深い。2012/12/12
skm
1
芥川龍之介は槍ヶ岳に登頂できたのだろうか?2012/05/08
今野ぽた
0
明治〜戦前の登山の様子を面白く読めたけど、実際に登ったことがあればもっと入り込めただろうな2016/08/08
yamakujira
0
大町桂月、小暮理太郎、松濤明、松井幹雄ら、明治大正昭和の登山家が遺した24編の紀行文集。それぞれに時代がうかがえておもしろい。 (★★★☆☆)