内容説明
「そこにぼくの音楽があるんです!」バイオリニストとして将来を有望視されている中学生の開。ところが家族はバラバラで崩壊寸前だった。ある時、家族でカルテットを組んで観客を前に披露することに―。家族の絆、音楽、そして淡い初恋…。心温まる涙と感動の青春&家族物語。
著者等紹介
鬼塚忠[オニツカタダシ]
1965年鹿児島市生まれ。大学在学中から世界放浪の旅を始め、40カ国を巡り、世界各地で働く。帰国後、海外の本を日本に紹介する仕事を数年した後、独立。著書に『海峡を渡るバイオリン』(陳昌鉉、岡山徹と共著/2004年11月にテレビドラマ化し、文化庁芸術祭優秀賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
BlueBerry
49
厳しく言えば「ありがちな感じ」でしょうか。ラストも大体想定どおりの感じ。私としては音楽物は好きなので結構楽しめましたけどね。音楽物が好きな方なら楽しめると思います。読メでは登録数が少ないのでもうちょっとは沢山の人が読んでも良さそうな感じ。映画化もされたんですね。youtubeの予告編→http://www.youtube.com/watch?v=OR2f2a46n8k 2013/11/16
nins
45
サクッと読める手軽さで、そつなくまとまった作品。2時間ドラマのような予定調和の展開。父親の直樹、母親のひろみ、姉の美咲、主人公の開の4人家族の永江家。実情はリストラで失業中の父とバイトで生計を助ける母の間の不和。自分より弟の開が音楽で褒められることが耐えられず音楽から離れた姉。そんな家族の繋がりがなくなった日常で、ついに両親の離婚の危機。開はこの不和を打破する為に動こうとする。始めた商店街の店での演奏。この演奏が家族を無理やり巻き込んでいく。大事なものはなんなのか。音楽小説ではないオチ。2012/01/26
ちょこまーぶる
30
家族の再生を音楽を通して試みている不器用な家族の物語。あらすじとしては凝った話ではないが、純粋な家族像や音楽の力のようなものを表すとしたら、それはそれで良いのではないかと思った。しかし、一家の長男の開君はカッコいい大人になりそうであるが、姉や母親からの言動に怒りもせずに自己解決してしまう子どもって何だか気持ち悪いものを感じたので、開君にはもう少し年相応の部分があっても良かったのではないだろうかと思う。それと、個人的には最期のエピローグはいらなかったかな・・・と思っている。2013/11/29
いずむ
23
五線譜の上では、ひとつ。家族四重奏。不和を乗り越えて、意識を共有する一瞬。テクニックだけでも足りない、キモチだけでも足りない。それでも、最後は眩いスポットライトの下で、最高の一瞬を迎える。こうしてキズナを確かめ合える家族の姿に、どうしようもなくココロを曝け出してしまう。進路に悩んだり、恋に悩んだり。何も特別なコトなんてない。けれど、そんなフツーが世界の全てで、どこまでも飛んでいけそうにも、沈んでしまいそうにもなる。けれど、そんな不安も、ふたを開けてみれば、笑っちゃうくらい些細なコト。なべて世はこともなし。2012/05/31
hasemi
18
何かを頑張るきっかけが誰かを好きな気持ちからの派生と言うのが感じられる。主人公も、姉も、父も。母だけが少し違うけれど。勿論、それだけで頑張るわけではなく、だからこそバラバラの家族がまたそれぞれの気持ちを考えるようになる。母親や姉には結構イラっとする気持ちを感じたし、父親は感情がストレートでないから緩やかにそんな気持ちが続いたけれど、それぞれの考え方が少しずつ変化していくのは読んでいて好きな感じでした。2012/03/18
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