内容説明
人生の達人、山口瞳。そのエッセイの魅力は、今も色あせない。私のライフスタイル・わたしの拒否権・いい酒場とは・私のウイスキイ史・探鳥の記・雑木林その他・祝辞・招宴・上座と下座・完全主義・時間厳守・ファッション考・トップ経営者語録ベスト5…。時に厳しく、時に揺れながら。本音で語る人生論。
目次
1章 私の人生(私のライフスタイル;私の初月給 ほか)
2章 こだわりの(打てば響く、味のよさ;いい酒場とは ほか)
3章 生活のなかの美学(美しさと安堵と;絨氈と私たち ほか)
4章 旅にしあれば(里は根びきの別世界;スケッチ旅行 ほか)
5章 ラストワン(上座と下座;盗人猛々しい ほか)
著者等紹介
山口瞳[ヤマグチヒトミ]
1926年、東京生まれ。小説家。寿屋(現サントリー)で広告制作にたずさわり、後に作家生活に入る。1963年、「江分利満氏の優雅な生活」で直木賞受賞。1979年、「血族」により菊池寛賞受賞。『週刊新潮』の1963年12月2日号より始まった連載“男性自身”は1995年8月31日号まで31年9ヶ月、休載なく1614回続いた。1995年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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シブ吉
46
本の帯に書かれていた「しっかりと背筋を伸ばして生きていきたい。品性を大切に、そんなあなたに贈るエッセイ集」に惹かれ、手に取った一冊。宣伝の仕事に携わっていた筆者が、新聞の書評欄担当者に出来たばかりの本をさしあげたところ、いきなり帯をはがし、丸めて屑籠に捨てた。いかにも書物を扱い馴れている人のやりかただった。でも、その帯は、私が作ったものであり、部長に三度も書き直しを命ぜられたものであった。私は、あやうく、「俺だって作者なんだぞと叫びそうになった。」の記述を読み、本の帯に「より愛着」を感じてしまいました。2013/04/29
bouhito
4
国立を愛した山口瞳。本書にも、繁寿司をはじめとして、国立の街が随所に登場する。遠藤周作のエッセイでは「塩酸ぶっかけてやろうか」という科白で登場する有吉佐和子が、この本では上座を男性に譲る淑女として登場する。同時代の作家の随筆読み比べというのもなかなかおもしろいかもしれない。2015/05/09
Tasuku Seo
1
人に迷惑をかけずに粋に生きるには、みたいな本。粋の基準は山口瞳さん(♂)なので、非常に個人的なスキ・キライの本といえると思う。 P23「パーティーに出てくる女性はみな美しいのであるなぜならば~略~彼女たちが美しく見せようとしているのであるから、こちらも、それを美しいと思ったほうがいい。すなわち、礼儀作法とは非常に演技的なものであると私は思う。」 P58「(きれいにお酌されたら)惚れちまうね。惚れないまでも、いい気分になる」 P170「(満員電車の女の髪が近くにあると)いい気分だ。口笛を吹きたくなる」 2020/10/24
bpm95
1
きみ 、いくら早く書いたってかまわない 。だけど考える時間は長くなくてはいけないよ。2014/11/25
のの
1
エッセイ集なので、人生作法の入門ではなかった。文壇のエピソードにはほうほうと思った。2013/09/15