河出文庫<br> 殺してもいい命―刑事 雪平夏見

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河出文庫
殺してもいい命―刑事 雪平夏見

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  • サイズ 文庫判/ページ数 341p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784309410951
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

「殺人ビジネス、始めます。新規開業につき、最初の三人までは、特別価格三〇万円でご依頼お受けします」―左胸にアイスピックを突き立てられた死体の口には、赤いリボンで結ばれたチラシが突っ込まれていた。殺された男の名は…雪平夏見、最も哀切な事件が幕を開ける。

著者等紹介

秦建日子[ハタタケヒコ]
小説家・脚本家・演出家。1968年生まれ。97年より専業の作家活動。2004年、『推理小説』で小説家デビュー。同作は『アンフェア』としてドラマ&映画化され、ベストセラーに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

absinthe

220
いやーよかった。これは名作の気がする。犯人は著者のクセからすぐに推測付いてしまうが、これは著者が意図したことと思われる。古典的世界、つまり従前の推理物の多くは、観測者である探偵やら刑事やらが、観測対象である被害者や犯人と見えない壁で隔てられている。本作は量子力学のように刑事と事件がもつれを起こしている。このもつれ具合が面白い。結末付近の謎の描写と次巻の表題から、いやな予感が・・・。2019/03/18

イアン

112
★★★★★★★★☆☆刑事雪平夏見シリーズ第3弾。「殺人ビジネス、始めます」というチラシを口に入れられた状態で、雪平の元夫が殺された。難航する捜査を尻目にフクロウを名乗る犯人は〝ビジネス〟を拡大させていき…。なぜ雪平の元夫は殺されたのか。マスコミを巻き込んだ劇場型犯罪という点では第1弾『推理小説』と同じだが、一人目の被害者が身内という展開にまず驚く。雪平の苦悩や人間味も垣間見れて、ラストが衝撃的なこの作品こそ映像化してほしかった。ところで文庫本P320で由布子が美央の枕元でしたあることって、回収されました?2022/07/18

ALATA

94
「殺人ビジネス、始めます」イブの夜、被害者の口に挟まれたキャンペーンチラシ。容疑者として雪平警部補が連行される。今作は安藤、林堂、平岡と非合法のチームで囮捜査が行われ、いつも通りアンフェアな展開が。刑事として必要があると判断したから撃つ、我が子を前にしての躊躇い、初めて母親としての情が感じられた。たどり着いた悲しい真実に、美央の今後が気になる。★5※終章に近づくにつれ、一章~三章のプロローグを読み返し、入れ子構造のミステリーに関心しきり。平らかな凍てつく雪原に拳銃を構え立つ夏美はやっぱり美しい。2022/09/28

mr.lupin

75
雪平シリーズ、1、2作目を飛ばして3作目を読了と言うか、シリーズ物とは知らなかった。「殺人ビジネス、始めます」フクロウと名乗る犯人の正体は... そして最初の被害者は... 内容もスピーディーな展開で非常に読みやすかった作品だった。最後も衝撃的であり面白かった。このシリーズ他の作品もまた読んでみたい。☆☆☆★★2019/07/18

えみ

65
衝撃!これは…衝撃だ。こんなにズタズタにされて、普通の人でいられる方が怖い。だから雪平夏見はこれでいい。刑事としての役割が感情を殺しているとしても、犯罪者への迷うことなき制裁を、正しい覚悟で下すことが出来るのだから!誰にも辿り着けない、眺めることの出来ない世界に身を投じた雪平独特の感性。まさか理解者が現れるとは…予想外な展開だが面白さに拍車がかかり、益々目が離せない。『刑事 雪平夏見』シリーズ第3弾。信じれば裏切られ信じなければ一歩も進めない。人が人を裁くことはどういうことか、彼女の心の揺れが答えなのか。2022/06/08

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