内容説明
「殺人ビジネス、始めます。新規開業につき、最初の三人までは、特別価格三〇万円でご依頼お受けします」―左胸にアイスピックを突き立てられた死体の口には、赤いリボンで結ばれたチラシが突っ込まれていた。殺された男の名は…雪平夏見、最も哀切な事件が幕を開ける。
著者等紹介
秦建日子[ハタタケヒコ]
小説家・脚本家・演出家。1968年生まれ。97年より専業の作家活動。2004年、『推理小説』で小説家デビュー。同作は『アンフェア』としてドラマ&映画化され、ベストセラーに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
217
いやーよかった。これは名作の気がする。犯人は著者のクセからすぐに推測付いてしまうが、これは著者が意図したことと思われる。古典的世界、つまり従前の推理物の多くは、観測者である探偵やら刑事やらが、観測対象である被害者や犯人と見えない壁で隔てられている。本作は量子力学のように刑事と事件がもつれを起こしている。このもつれ具合が面白い。結末付近の謎の描写と次巻の表題から、いやな予感が・・・。2019/03/18
mr.lupin
72
雪平シリーズ、1、2作目を飛ばして3作目を読了と言うか、シリーズ物とは知らなかった。「殺人ビジネス、始めます」フクロウと名乗る犯人の正体は... そして最初の被害者は... 内容もスピーディーな展開で非常に読みやすかった作品だった。最後も衝撃的であり面白かった。このシリーズ他の作品もまた読んでみたい。☆☆☆★★2019/07/18
しーちゃん
62
遺体の口にある紙筒。「殺人ビジネス始めます。」犯人からのメッセージ。冒頭から猟奇的でフクロウと名乗る犯人に、第2第3の殺人の描写に、あっという間にのめり込む。シリーズ物と知らずに借りたが、この作品だけでも十分読み応えがある。犯人を追う捜査一課の美人刑事は捜査の過程で2人を殺した過去があり、チームのメンバーも個性的でわかりやすく好感が持てる。プロローグと合間に語られるエピソードが最後に明らかになった時、まんまとミスリードされていた事に気づく、この構成はうまい。犯人の動機は明らかになっても理解出来ないけれど。2021/05/20
RIN
62
雪平刑事シリーズ3作目。前作までは脚本ともノベライズともつかない感じがあったが、本作は「小説」になってる!!面白い!脳内で雪平=篠原涼子、安藤=瑛太になってしまう(笑)。次作も出ているので読んでみるつもり。この作家さんの作品はドラマ化されているのが多いけれど、他のはどうだろうか?(つまり小説として)2012/11/09
KAN
61
なんとコメントすればよいやら、大丈夫か?。3作目ですが、どんどん面白くなっている。ブレない雪平が、ラストブレた。早く次が読みたい!とにかく読みたい!2017/02/11