師・井伏鱒二の思い出

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師・井伏鱒二の思い出

  • 著者名:三浦哲郎【著】
  • 価格 ¥1,232(本体¥1,120)
  • 新潮社(2016/09発売)
  • ポイント 11pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784103209218

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内容説明

私は、井伏先生がお元気なころに履かれた下駄を持っている。昭和30年、早稲田の学生であった私が初めて先生をお訪ねしたときも、玄関にはこれとそっくりの下駄があった――。書けずにいるときは励まし、いいものを書いたときには共に喜び、またあるときは厳しい言葉も――。日本文壇の中央を歩んだ師弟の、初期二十年間の交流。 ※単行本に掲載の写真の一部は、電子版には収録しておりません。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

桜もち 太郎

4
師匠を持ち身も心も仕える人がうらやましいと思った。心の交流が素晴らしく細やかに書かれている。井伏さんが川端康成を良く思っていなかった理由はどうしてだろう。二人の師匠と弟子、あちらの世界でお酒を飲んで、将棋を指しているのだろうか。2014/07/17

sawa

4
★★★★★ 井伏鱒二の熱心な読者でもないし、三浦哲郎の著作は一作も読んだことがないのだが、この本は非常に面白い。まず井伏の力的な人柄が大変うまく描かれている。そしてちらりと脇役のように登場する作家(新人賞を取っただけの三浦にライバルのような鋭い視線を向ける松本清張や、若い女の子にサインを求められる三浦を見て機嫌を損ねて帰る小田嶽夫など)がいい味を出している。文章全体の雰囲気としてもぼうんやりと暖かい空気に包まれていて、非常にいい時間を過ごした気がする。三浦哲郎作品も『荻窪風土記』も読まねばなるまい。(借)2011/05/29

わい

2
検索ボックスから検索すると、こっち(紙本)が出てこないでキンドルが出てくるの、ほんと嫌…。紙本のほうが登録者多いのに。で、感想。ネット文化になれてしまった自分には、こうしたリアルの交流と手書きの文章による書き残しの文化が却って新鮮で、古き良き文壇の空気を存分に感じられた。2020/09/28

ちゃせん

2
学生時代から長きにわたって井伏鱒二の弟子としてそばにいた三浦哲郎氏の回想録。飾ったり長々しかったりするわけではないのに、一つ一つの言葉から師に対する愛情や尊敬が感じ取られ、また近くで見ていた人の目を通じて、どことなくおちゃめで愛らしい井伏氏の姿が伝わるようで温かかった。2017/10/03

愛敬 史

2
「三浦くん、君、酔った?」。この作品は、初めて出会った三浦さんに帰り間際に尋ねた井伏さんの言葉に始まり、そして締めくくられている。この井伏さんの一言からでも、親密な師弟の姿がうっすらと見えてくる感じがする。本当に井伏鱒二という人は面倒見のよかった人なのだろう。そして著者・三浦哲郎は心から慕っていた。井伏さんが三浦さんに生涯門外不出の色紙を描いてあげたり、夕方から翌日の明け方まで飲み明かすというエピソードに心が温まる。それは強く繋がった二人の交友が感動を呼ぶのだと思いたい。2011/02/04

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