内容説明
日本人の心情・倫理の象徴、忠臣蔵物語。さまざまな美談が語り伝えられる中、はたして真相はどのようなものだったか。討入りに対して庶民は冷淡?浅野内匠頭はしまり屋?大石内蔵助は本物の遊び人だった?伝承や資料を綿密に調査分析し、義士たちの実像や吉良家の実情、事件の顛末等を鮮やかに解き明かす鳶魚翁の傑作。
目次
一挙に対する反響
当世風な殿様
粋を通す内蔵助
百二十五人から四十六人
時世の上からの眺め
二月の四日
泉岳寺の宝物館
講談の根本資料
女の子の行方
後室瑤泉院
鷺坂伴内
快男児喜剣
著者等紹介
三田村鳶魚[ミタムラエンギョ]
1870年、東京・八王子生まれ。のち下谷御徒町で育つ。明治40年代より著述を始め、大正・昭和と三代にわたり江戸期の史実考証に新分野を拓く。特に江戸風俗の研究で現在もファンが多い。1952年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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saga
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読了の追加が遅れたのは本書のおかげ(笑)古語とは言えないまでも、古い表現と熟語が多いうえに、口述筆記であるため、文意を理解するのに苦労した。とはいえ、忠臣蔵のイメージしか持たなかった自分としては、本書の内容は目から鱗だった。確かに言われてみれば義士とは言え普通の人間。もし切腹せずに生きながらえていたら「あ~あの義士がね~」なんてなことになってもおかしくないかも。本文を読んだ上で、文庫版解説で復習するのがよろしいかと存じます。2011/10/31
ヨーイチ
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こういう本が文庫で読めるなんて、古本屋を探し歩いたあの日々はいったい。
なかがわみやこ
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昔の人の語り口で肯定なのか否定なのかすぐにはっきりしなくて、まじめに読まないと意図がわからない。主税の人生謳歌するのって、島原じゃダメだったのかしら?子供作らないため?江戸もの流行りだし、今のうちにこれ以外の著作も文庫にして欲しいです。2011/02/03