内容説明
「富久」「明鳥」「芝浜」…。落語好きなら誰もが知っている古典落語の名作を、自らの解釈、名人たちの演出を下敷きに、新たに読み解いた傑作「読む落語」集。高座の臨場感あふれる安藤鶴夫の筆は、読者をあの頃の寄席の世界へと招き寄せる。噺に登場する用語の語釈も収録され、落語初心者にも楽しめる一冊。
目次
富久
百川
船徳
笠碁
鰻の幇間
心眼
酢豆腐
厩火事
素人鰻
愛宕山
寝床
明烏
芝浜
つるつる
品川心中
へっつい幽霊
著者等紹介
安藤鶴夫[アンドウツルオ]
1908年、東京浅草橋生まれ。作家、演劇評論家。劇評、演芸評、随筆、小説など精力的な執筆活動を行い、“あんつるさん”の愛称で親しまれる。64年『巷談本牧亭』で直木賞受賞。1969年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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- 評価
落語の愉しみ本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fwhd8325
54
コロナの影響でもあるけれど、落語会へ行く機会が減ってしまった。YouTubeで名人たちの音源を聴くことはできますが、きっと生の落語に植えているんだろうと思います。気がついたら一年前にも読んでいて再読になります。安藤鶴夫さんの文章は読みやすい。私には、落語の教科書のようです。2021/08/29
fwhd8325
50
元本は1965年とありますが、初出はさらに遡ります。古典落語に使われる表現や名称は、今では使われていないものも多く、本寸法で演じると下げの意味がわからない噺もたくさんあります。最近は、古典でも現代風にアレンジしたり、新しい要素を取り入れたりして演じる方も増えています。この著書に残された記録はとても貴重なものだと思います。今は、名人の音声も気軽に聞くことができるので、ここに取り上げられた噺をBGMにして、著書を読むという楽しみ方もあると思います。2020/07/23