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河出文庫
胡桃の中の世界 (新装新版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 285p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784309408286
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

石、多面体、螺旋、卵、紋章や時計に怪物…「入れ子」さながら、凝縮されたオブジェの中に現実とは異なるもうひとつの世界を見出そうとする試み。さまざまなイメージ、多彩なエピソードを喚起しつつ、人類の結晶志向の系譜をたどるエッセイ集。著者の一九七〇年代以降の、新しい出発点にもなったイメージの博物誌。

目次

石の夢
プラトン立体
螺旋について
『ポリュフィルス狂恋夢』
幾何学とエロス
宇宙卵について
動物誌への愛
紋章について
ギリシアの独楽
怪物について
ユートピアとしての時計
東西庭園譚
胡桃の中の世界

著者等紹介

澁澤龍彦[シブサワタツヒコ]
1928‐87年。東京生まれ。本名龍雄。東大仏文科卒業後、マルキ・ド・サドの著作を日本に紹介するかたわら、人間精神や文明の暗黒面に光をあてる多彩なエッセイを発表。晩年は小説に独自の世界を拓いて、広く読まれた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

185
再読。博物誌といったエッセイ集だが、著者自身の「あとがき」にもあるように、ここには鉱物や結晶への偏愛を語ったものが多く見受けられるようだ。また、いつもながらのことだが、澁澤氏の衒学趣味(ここではいい意味での)と、その広範さには圧倒されるというよりは、もはやそれは驚異だ。篇中でもっとも興味深かったのは、「宇宙卵について」。ピエロ・デラ・フランチェスカの「モンテフェルトロ家の祭壇画」(ミラノに行く機会があれば、ぜひ見たいものだ)に始まり、錬金術に連想を広げていくあたりは、もう全く澁澤氏の独壇場というしかない。2014/12/22

里愛乍

38
「澁澤先生ならこれが読み易いかも」と友人にお薦めされた本書。いや正直読み易くはない。というより、それ以上に時間がかかったというべきか。彼の文章に使われる言葉、若しくは単語、これが既に奥深い意味を背景を持っているが故に、学の無い私などそこから煮詰まってしまうのだ。ただ自分の想う物・事について独特の表現を以て突き進む。エッセイとの事ですが、彼の膨大な知識と独自の視点で、実に不思議な世界観を醸し出します。特にギリシアの話と時計の話が面白かった。 2017/12/02

Miyoshi Hirotaka

24
中世では博物学が人間の知識の総量のうち大きな比重を占めていた。科学的思考法は確立しておらず、正確な観察や事実の収集、分類で自然を認識できるとは思っていなかった。当時の科学は寓話。例えば、胡桃の外皮はキリストの肉、殻は十字架、実は神性という夢想があり、「ハムレットの胡桃」は宇宙の支配者の比喩になった。ドラゴンやナチの逆さ卍の標章にも複雑奇妙な寓話がある。オタク文化も未来視点から無益と評価される日が来る。一方、人間の想像力は或る物体が一定の大きさであることに満足せず、自由に拡大、収縮させ、相似の形象を考える。2024/06/23

マッキー

21
読み手を幻想の世界に誘ってくれる本。まさに澁澤ワールドの醍醐味ともいうべき一冊。2017/01/09

双海(ふたみ)

21
ところどころに図版があって面白いです。「ユートピアとしての時計」が好み。2015/02/03

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