感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
SOHSA
33
《kindle》現代語訳ではあるが難解な著作だった。『正法眼蔵随聞記』とは趣きが異なる。随聞記から窺い知る道元は穏やかで静かな印象だが、本書の道元は激烈で非情なまでに自他に厳しい。それが仏法に徹することの本質だろうか。未だ全5巻中の第1巻を読んだに過ぎないが、それにしてもその思想は独特であり、原始仏典や大乗仏教のともかなり異なる印象だ。ブッダよりもまたその直弟子よりも、禅の始祖以降の先師の教えに重きをおいている感が大きい。加えてもはや道元自身による思想書・哲学書ですらある。恐らく道元の真の姿はここにある。2020/12/31
禿童子
11
現代語訳とはいえ、まともに理解できたとは思えない。ただ、末尾の『行持』の代々の仏祖の列伝は分かりやすく、道元禅師が説明文を書く時の明晰なスタイルをよく示している。2巻目以降は別の機会に読みたいと思う。2017/09/11
amanon
9
かれこれ三、四回は読み返しているはず。正直言って、理解の程は甚だ怪しい。でも躍動感を湛えた訳文の魅力も相まってか、つい読み進めてしまう。本来言葉にすることができないはずの禅。それを言葉にするという不可能な試みにあえて挑むことによって、豊穣な世界が生み出される…日本という極東の島国でこのような途方もない試みが偉大な書物のなって結実したという事実に改めて驚愕。理解しようとして読んではいけない。でも決して理解を拒んでいるわけではない。普通の書物とは違う読み方が要求される。そんな類の書物ではないかと思わされた。2020/06/17
Z
7
座禅でもしようかと、その前に読んでみた。読み続けることは当分しない。まとまった著作ではなく、その都度時間論なり座禅の論なり様々な論が連なっている感じ。まさに仏教的な自然、世界観で、外界を不動とせずカッコにいれたり、座禅は苦行ではなく、自己が安らう環境でせよとか、自己に本質的には刺さらなかったが、へえそんなこと考えてるのかと、いった程度の読書体験。関心ある人は、この本、注釈や解説が丁寧なためいい本だと思う。2017/03/05
roughfractus02
5
書物に対する疑義が生まれる本だ。これは思想書だ、読む意義がある。だから内容を知りたい。まだ読んでもいないのに、そう思う知識はどこから得るのか? 本書を歴史に組み込み、ジャンルに分け、価値を与えるのは、目前のこの書物が手元に届くまでの世界の利害や力によるものだ、それが歴史と呼ばれるものだろうと改めて気づく。「現成公按」の文字を辿り始めると本書が書物であることに驚愕する。読むことを通じてしか読むことの不可能性が知り得ないのだから。この書物を手に、遠く、近く、さらに遠く、ただ只管座り続けた男に出会いたいと願う。2017/02/16