内容説明
全九集九八巻、一〇六冊に及び、二十八年をかけて完成された日本文学史上稀に見る長編にして、わが国最大の伝奇小説を、白井喬二が雄渾華麗な和漢混淆の原文を生かしつつ分かりやすくまとめた名抄訳。ご存じ、仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌の八つの徳を体現する八犬士の壮大な長編史伝が、その粋を集めた最も読みやすい現代語訳で、今ここに甦える。
著者等紹介
曲亭馬琴[キョクテイバキン]
明和4年‐嘉永元年(1767‐1848年)。江戸時代後期の読本、黄表紙、合巻作者。本姓は滝沢。わが国最大の伝奇小説『南総里見八犬伝』の他、『椿説弓張月』『皿皿郷談』『近世説美少年録』などの読本が有名
白井喬二[シライキョウジ]
1889‐1980年。小説家。横浜市生まれ。大正9年に発表した時代物の推理小説『怪建築十二段返し』で一躍注目され、『新撰組』や大作『富士に立つ影』などによって大衆文学草創期の推進力となる。大衆作家の団体「二十一日会」を結成して『大衆文芸』を発刊した
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感想・レビュー
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活字の旅遊人
44
第九集巻の五十三まで、終了。長い話で、筋が追えなくなることもありつつ、やはり面白かった。第九集まで八犬士は揃わないのだけど、その第九集からこの訳書ははしょり出す。が、戦いの場面はむしろテンポがよくなっているのかも知れない。動物、というか妖怪・化物を使って八つの徳を描く冒険・人情物語だった。舞台は室町期の関東地方。千葉茨城がメイン。あまり馴染みがないのだが、楽しめた。また、東京湾での海戦があるとは知らなかったので、興奮した。もちろん江戸期の作であり、江戸時代の作者読者の発想嗜好を知る意味でも興味深かった。2021/06/26
❁Lei❁
27
上巻の後半からあらゆる事情が複雑に絡まり始め、誰がどの因縁の相手だったのやら、わけがわからなくなっていたのですが、下巻ではさらにちんぷんかんぷんに。とりあえず仲間か敵かという区別だけつけて、なんとか読み終えました。敵の首はばっさばっさと切られていくので、かなり血生臭い。そして、行方知れずになっていた親兵衛が美少年に成長して登場し、彼ばかりが活躍します。話の筋もありきたりで、あんまり面白くないなあと思ったら、解説にも後半は精彩を失っていると書いてありました。八犬伝の魅力は上巻に詰まっていると思います。2024/04/11
しゅう
26
やっと読了。登場人物の多さと名前に、やっぱり四苦八苦。そして話しがとぶので、ときどき混乱。長い話をまとめた物なので仕方がないのかな。しかし、戦いのシーンは燃えます。バッタバッタと敵を倒すさまは、爽快ささえありました。最後、大円団で良かった。読了した達成感で満足。そのうち、児童向けの偕成社版も読んでみよう。2021/03/22
イノ
22
いよいよ八犬士もそろい小団円。 クライマックスには敵も見方も名前がずらりと並ぶんだけど ぜんぜん分からん>< 気が付いたら勝負が付いてて大団円。終りはあっさりで妙にリアル。 いやーしかし長かった。2016/06/19
fseigojp
12
水滸伝の世界を日本に移入したものだと知らんかった 2023/03/27