内容説明
冥府の宮・破軍星・野狂と恐れられた魔性の男、小野篁。その女、小野小町。平安京の死門を護る篁が絶世の美女に秘めた闇の呪法とは何か?来世を望むことも地獄に堕ちることもかなわぬ、妖の悲恋を描く、話題の伝奇小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mocha
80
謎に充ちた小野小町に奇想天外な出自を与えた妖異譚。小野篁、在原業平など王朝物のスターを配し、妖しくも切ない悲恋物語に仕立てている。室町時代の能面師・氷見がどう絡んでくるのか・・?古典文学さながらの文体も雰囲気があって良かった。2019/08/07
ポチ
41
こう云う平安時代っぽい語りっていいなぁ〜。小野小町の哀れさが際立つ。これからも伝説の人として、色々と語られるんだろうな。2016/08/29
とくま
2
×P12。 雰囲気ありますね。また機会があえば。2017/11/12
ヤクーツクのハチコ
1
大昔に読んだ本の再読。出版年30年前か。能、民族伝承、民俗学、風水(作者さんのフィールド)、和歌・古典をより合わせての幽玄文学。好き。語りの部分はそれぞれ2者での古文調の問答なのも好き。「卒塔婆小町」から始まって、最後能面をたたき割って終わる導入・締めも良し。こういう話もうこの作者さん書かれないのが残念。人の心の醜さではなく、人の業の悲しさを古典の本歌取りフル活用で吟じられていて、久しぶりの再読だけどやっぱり好きだわ。平行して読んでる「和歌とウタの出会い」にあった「歌は日の本の陀羅尼」という文言がここにも2025/06/01
さな子
1
小町の話というより小野篁がヤンデレな話という印象。2018/08/28