河出文庫
学校の青空

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  • サイズ 文庫判/ページ数 187p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784309405797
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

退屈な日常とおきまりの未来の間で過熱していく少女たち…。彼女たちの“独創的な暴力”に迫る、「放課後のフランケンシュタイン」ほか、女の子たちのさまざまなスクール・デイズをラジカル&クールに描く、各紙誌絶賛の話題作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

zero1

71
小説に必要なのは正解ではない。【人間とは何か?】という内容での描写だ。だから作家は【わからない】について書くことになる。10代を描いた短編集を再読。学校はサバイバル。中学生の自殺に高校のいじめ、小学校でのクラス内での演技と高3の夏休み。読めば分かるが瀬尾まいこや森絵都とは文章が違う。女性作家なのでいじめを描いていても重松清の視点とも違う。こうした本を読むと、角田がどのように作家として変わってきたか、また何が変わらないかが分かる。薄いが内容は濃い。角田の源泉を見るような作品を読んでよかった。2020/02/28

佐島楓

49
角田さんの初期作品集。いずれも学生が主人公で、読んでいくと、まぎれもなく角田さんの文体だとわかる。主人公は皆、芯は臆病で、どうでもいいことが大事で、大事なことをどうでもよく思ってしまう危うさがある。2015/07/21

NADIA

31
小中高校が舞台の4編の短編集。私が過ごした学校生活とは全然違うのに、違和感なくその空気になじめる角田ワールドの不思議。第二話「放課後のフランケンシュタイン」は女子中学のいじめの中心人物の視点で語られるというところが珍しい。いじめる側がメインの場合はいじめられる方に何かしら嫌な部分があったりするのだが、このストーリーの語り手は「楽しいからいじめる」という最低なタイプ。予想通り、途中でいじめられる側に回る場面があり、大人げなく「ざまあみろ」と感じたりもするが、ラストの壊れっぷりは期待以上で逆に心配になった。2018/10/16

MINA

29
単行本の表紙より文庫のが好きだな。これ読んで、自分は図体がでかくなって歳月だけ経ただけで学生時と何一つ変わってないと痛感してしまったり。<パーマネント・ピクニック>胸を触って全てを台無しにする友則。結局はやっぱり男子のが女子よか全然子供だわ。<放課後のフランケンシュタイン>いったん暴走してしまったマリが無事止まり、またはブレーキが身につくのはいつのことなんだろう?<学校ごっこ>シェイクスピアの『お気に召すまま』にて「この世は舞台、ひとはみな役者」が頭をよぎる。与えられた役割をいつまでも無心に演じるのみ。2015/09/02

カッパ

26
【530】【◯】9月1日は1番子供の自殺が多い日です。学校の青空でも自殺しようとする男女がでてきます。死ぬと思うと毎日が光り輝いて寛容になれる。そうなんだと思います。ある意味、そのことで今に生きることができたのかもしれません。過去に生きる。未来に生きる。どちらも苦しいのかもと私は思いました。今ここを大事にしたもらいたいと思います。私も子供達も。2017/09/01

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