河出文庫<br> 怪獣文学大全

河出文庫
怪獣文学大全

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  • サイズ 文庫判/ページ数 357p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784309405452
  • NDC分類 913.68
  • Cコード C0193

内容説明

大人から子供まで、多くの人々を熱狂させる未知の生物!!純文学の世界をはじめ、スラップスティック・コメディ、批評エッセイなど、あらゆる分野に登場するとびきりの『怪獣』たちを集大成した、空前絶後の大アンソロジー。寓話、メルヘン、SF、ホラー…破壊の恐怖をひき起こしながらも、どこか懐かしく、愛らしい異形の者たち。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Bugsy Malone

76
収録作は、ゴジラ来襲を刹那的な喜劇として描いた武田泰淳の1959年の短編『「ゴジラ」の来る夜』、同作品の批判から始まり映画「渚にて」の白々しさまでを批評した花田清輝の『科学小説』、「モスラ」原作である中村真一郎、福永武彦、堀田善衞のリレー形式の怪獣小説の逸品『発光妖精とモスラ』、「マタンゴ」の原案となったホジスンの『闇の声』を始め、福島正実の小説『マタンゴ』、橋本治『マタンゴを喰ったな』『更にマタンゴを喰ったな』、更に大槻ケンヂの『マタンゴ』までという怒濤のキノコ作品群。ゴジラ原作者香山滋の海洋怪獣小説⇒2018/01/07

sin

60
武田・理屈っぽい独白に独り善がりなオチ。中村・存在の暴露~福永・神話の構築~堀田・アリガターのメイワクー。ホジスン・自己犠牲!?福島・救助に感染を懸念させるがオチが来る。橋本・エイズ=マタンゴ?~またんごなパンデミックへ。大槻・またマタンゴ!花田・武田のゴジラは原稿稼ぎ的な!香山・怪獣の存在意義を核に押し付けぎみ?光瀬・正統怪獣モノ但し半端な恋ばな、放射能の呪縛つき!小松・亀が動けばインドが移動?井上・怪獣と云うサイコパス?中沢・ゴジラは戦後と現代に至る災害大国に逆に復興のシンボルとして捉えられたのでは?2022/05/09

まえすとろ

41
東雅夫の編集によるアンソロジーは、昭和特撮映画の傑作『モスラ』での和製ファンタジーと対極を成す恐怖映画『マタンゴ』のシノプシスを通して、メルヒェンとスリラーを主題に、スラップスティックな構成で"恐怖"の有り様を再考した実験的な小説から、著名作家による怪獣小説の短編も多数収録、SFではなく科学小説として怪獣譚の検証、科学史としての見地から考察した怪獣の論文、エッセイなど多角的に文学として怪獣の存在する世界を再考し「日本人にとって怪獣とはなんなのか?」という問いを読者に投げかける意外に"深い"テーマの作品集。2015/11/01

Kouro-hou

22
主に日本怪獣を扱ったアンソロジー。武田泰淳のゴジラのコメディ、花田清輝の化学小説批評などまさに文学大全。特にマタンゴ関連の充実は素晴らしく、翻案元のホジスン「闇の声」や映画原作・福島正実「マタンゴ」と橋本治「マタンゴを喰ったな」、大槻ケンヂのマタンゴまで収録。胞子でお腹一杯、こっちもマタンゴになりそうです。巨大化したマグロが日本を襲う光瀬龍「マグラ!」は怪獣映画らしくて良いのですが、光瀬の巻末エッセイで「当時SFに求められたのは文学性であり(中略)キノコやマグロのグルメ性ではなかった」にはしみじみします。2016/05/16

unknown

9
全ての始まりであるW.H.ホジスン「夜の声」、それを翻案した福島正実氏による小説(映画「マタンゴ」の原案)、そして橋本治、大槻ケンヂの作品が連なるマタンゴ・リレーが収録されている、スキモノにはたまらないアンソロジー。呪いの館には行っちゃいけねえ。それ以外では、武田泰淳「「ゴジラ」の来る夜」が面白かった。ここでのゴジラはあくまで抽象的な存在として描かれており、風刺的スラップスティックSFな趣を醸し出している。なるほど「怪獣文学」。ラストの「神よ。あなたは、ゴジラだったの、ですか……」の一文が印象深い。2012/09/04

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