内容説明
狩人たちの森・満員の通勤電車の中でひそかに触れあう父と子。―「お前の唇が私の先端に被さりくびりまで包むと、そのまま下りる。だが、この漣のように拡がる快感は先端からか、それとも唇からのものなのか。それにまた、感じているのは私なのか、それともお前なのか」―同性愛、少年愛、父子愛、自己愛が、合せ鏡の無限の中で試される猥褻な聖画像。作者匿名。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ybhkr
3
短い中にいろんな要素がつまったよい小説。澁澤氏の推しで98年くらいにこういう内容が書ける人って誰だろう?全く思いつかない。もう少し昔なら三島由紀夫かなあって気がするけど、うーん、うーん、誰だろう…。男性とは限らないんだよね、むしろ女性かもしれんぞ!男性の一人称のBLは苦手なのだか、これはもうBLのくくりじゃないからなあ。ポルノグラフィティとしても、タブーにしても、とにかく複雑さが美しく、欲望に消化されている。自己愛の行き着く先は0。自分のクローンとして息子を作ったその先は。親子でほもです。2016/12/31
龍國竣/リュウゴク
3
日常に置かれた行為が、理想の観念的な物に昇華され、合一し、強引に堕落させられ、また日常へと戻る過程で、絵となり収まる。同性愛、父子愛。最初は硬質な文章に悩みながらも、行為を経て、その理念を知って興奮する。そして、最後の絵画的描写。俗を寄せ付けない性愛の姿。 2012/10/14
真塚なつき(マンガ以外)
3
異性愛でも同性愛でもなく自己愛の鏡としての息子をもうけ、古代エジプト的少年平面構成と69にこだわる。2011/02/05
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