感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
501
12
ここ数年で著者の作品をぽつぽつ読んでいるが、毎回著者の変幻自在さに驚く。人は死ぬとひとつ下の魔界で蘇り、また死ぬとさらに下の魔界で・・・と永遠に魔界を下り、下るたびに魔物化していく。そんな世界をお姉さんが子どもたちに読み聞かせ、彼らもまた魔界へと落ちていくという構造をとっており、本書を読む読者自身がいる現世も魔界の一部であるという読者を巻き込む仕掛けとなっている。2019/08/01
N島
3
筒井康隆が綴る終末世界。 一切の救いのない無間地獄を、氏独自の手法で描き出す実験小説。 筒井康隆の隠れた名作。
kenyoi
3
おもしろかった。解説を読んで、やっとはっきりしたこともあった。また読みたいと思う。2011/09/14
たぬ
1
★3.52016/12/20
ブリキマン
1
解説を読んで納得した部分も多かった。仏典のパロディーか・・叙情性は排しているが殺し殺されるたび魔界に転生する存在達。彼等は刻々と壊れていく物語の中の存在だ。転生するその世界そのものが消えて行くらしい。やがて記憶する者もいなくなる。「幻想の未来」の核戦争後の荒野を思い出した。こっちの方が救いがない。2014/12/29