内容説明
翻訳について書かれた凡百の文章を蹴とばし、現場の具体性から出発して、「翻訳とは実践」であり「翻訳とは文体の翻訳」であるという二つの大きな命題を立てて展開される画期的で痛快な翻訳論。語順、文章の止め、実作業の厳しさ、音への感覚、原文の読み、言葉遊び…『ユリシーズ』個人全訳の方法につながるテーマを具体的に繰広げた待望の書。
目次
翻訳とは実践である
翻訳こぼれっ話
『私家版猫事猫信ことわざ小辞典』
『未管成アリス』のためのフラグメント
アリスのジョイス語入門
はたまにチェス形で書く
ジョイス=パリの一九二二年
ボルヘスの手
都市の肥大固形物
ユウモアをフアツク遊ばせ〔ほか〕