内容説明
出口王仁三郎、石原莞爾らが入り乱れる混沌眩惑の満州を舞台に疾風の如く活躍した超能力者の波乱の生涯を、強烈なロマン、壮大なスケールによって描き、「純文学における隆慶一郎」と評されたマジック・リアリズム的傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばな
1
今は亡きお爺ちゃんのお話し…的なほんわかしたストーリーかと思って読み進めましたが、この爺ちゃんが只者ではなさすぎた。話は想像を超えた展開を見せ、あっけに取られてしまう。仙術がリアルに存在する不思議な世界。爺ちゃんの最期もまた一ひねりあって凄い。
三柴ゆよし
1
時代は大正、肺病を患い満州へと渡った少年・加納良蔵は、彼の地で仙道を修め、馬賊の副頭目・小白龍として歴史の裏面を彷徨する。縦軸の時間の流れを軽やかに飛翔してみせる手法は、当時ブームの絶頂にあった南米マジック・リアリズムからの影響を指摘できようが(現に巽孝之は本作を「大正マジック・リアリズム」と評している)、国枝史郎や山田風太郎、半村良などを先達とする伝奇小説の嫡流と看做すこともまた可なり。現在と過去が交錯を果たす、夢とも現実ともつかぬクライマックスには、思わず粟肌が立った。傑作である。2010/07/16
-
- 和書
- 新約聖書解釈の手引き