内容説明
〈時代の語り部〉としての著者が、村上春樹、中沢新一、高橋源一郎、北方謙三、中上健次の俊秀を迎えて、言葉や物語から宗教、宇宙、エンタテインメント、車、演歌にいたるまで縦横に語り合う、自由な精神が交響する話題の対話集。
目次
ワンダーランドに光る風(村上春樹)
宇宙を自在に回遊する風(中沢新一)
虹の彼方にポップする風(高橋源一郎)
男の情念を乗せて走る風(北方謙三)
物語世界に逆巻く風(中上健次)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KA
2
村上春樹との対談が目当て。文庫本は1994年で、元となった単行本は1986年刊とのことだが対談日の明記がない。五木の発言(あと六年生きれば故・父より長生き)から考えるに、1982-83年の収録だと考えられる。実際、村上は『羊をめぐる冒険』の作者、のように紹介されている。 「日本国憲法」、「新左翼から農本主義右翼へ」、「内発性を打ち破る物語独自の論理」、そして子供を持つことの倫理への疑義などが若き村上より語られる。五木のエンタメ小説が戦後知識人の一つの方途という主張も面白かった。2021/10/09
tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。
2
村上春樹氏との対談掲載。
Lily603
1
★★★ 五木寛之の対談集。その中でもまたまた村上春樹さんの対談目当て。まだまだ若いせいか、けっこう素朴で悩みがちで難しく考える村上春樹さんが垣間見える。例えば「自分達の世代は戦争など厳しい時代を体験しておらず、経験が貧弱で物語れない」とか「一番原体験の文章は戦後憲法」とか。最近の熟成した村上春樹さんとはまた違った面が伺える1冊としておすすめ。2012/07/03