感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミナ
8
両手両足を失くしても舞台にたつのは役者魂かそれとも存在意義がそこにしかないからか……。2018/01/28
お萩
8
皆川田之助よりも幼く感じ、ところどころ彼を可愛らしく思う。良順先生はいつでもどこでも良順先生で安心する(笑)ユーモアもあるがやはり彼の境遇からか作品の根底には淋しい気配が漂う。ラストはさっぱりと終ったけれど、その後の彼の最期を思うと辛い。2015/01/21
風花
7
幕末から明治にかけて活躍した歌舞伎役者、三代目澤村田之助を描いた作品。田之助のことは本書で初めて知りましたが、その壮絶な役者魂と業は読んでいて辛くなるほど。冒頭の、芝居を終えた田之助が余韻に浸るシーンは、毒気あふれる妖艶さで一気に引き込まれます。脱疽で四肢を切断という部分に注目しがちですが、それでも舞台に立ち続けるためには必然だったと思える心の暗部や、孤独の人生もしっかり描かれています。芝居以外のことに執着しない田之助に似合いのあっさりとしたラストが、その後の人生を思うとかえって哀愁を感じさせます。2017/02/17
こまったまこ
4
沢村田之助のお話は皆川博子さんの小説を読みましたがどちらも壮絶です。ラストの素っ気無さからくる空虚感はこちらの方が大きいですが。家族や友人との縁の薄さが田之助を孤高の人たらしめんとしています。自分だけを見つめている田之助には人のぬくもりなど不要なものだったのでしょうが寂しすぎて読んでる方が辛くなりました。最後まで己の芸を高め昇華させようともがいていた田之助に圧倒されました。浦里を観たくなりました。2013/12/31
きゅうり
2
体が腐ってしまう病で両手足を切断してまでも舞台に生きた歌舞伎役者のお話。壮絶な内容なはずだが終わりかたが、あっけらかんとしていていい。2012/08/30
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- 和書
- おぞましい二人