感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
るか
17
★★☆☆☆自己破壊の願望からゲイバーの扉を叩いた17歳のジュン。事細かに語られる性描写には次第に慣れたが、私には著者の伝えたいことを感じ取ることができなかった。薄暗くディープな話だったが、ジュンが自分が思っているより凡俗である事に気付き、軽くショックを受ける所など、青春小説らしさもあった。2016/11/15
三島ゆかり
10
あとがきの「自己破壊のためにゲイバーの扉を叩いた十七歳の少年ジュンの遍歴の物語」がまるっと物語を解説してくれてる。“普通の人とは違う自分”の存在を信じつづけて(すごい方向へ)ひた走るが、そんなものがないと気がついたとき過去はジュンの中でどんな思い出になるのか。個人的見所は中年男性を相手にタチ役をしなくてはならなくなったジュンのこころの動きだと思った。「アザラシのような浅黒い尻をも愛せるような異常性がおれにはあるんじゃないのか」→「無理だった」→「自分はなんて普通なんだ」。この手の異常性を求めていたのか。2012/03/14
あいちょ。
7
遠い昔、ゲイの友人から勧められて読んだな…と。 その友人が晴れて婚約したとの報せで、再読してみたり。 嫌悪感の湧かない綺麗な本だなぁ…と改めて思った。2012/04/27
ふらんそわ
5
まるで、未知の世界。なかなか知ることが出来ない「街」を書いた本であることから、手にしたが思ったよりだいぶディープでした。かなりリアルな表現が多く、だからこそ主人公の繊細な心情描写が活きていた。2013/09/01
三日月
5
バンドのボーカルだったジュン。自分には歌うべきものがないことを悟り、《自己破壊》のためにウリセンボーイになる。そこでの日常生活を「僕」が読者に呼びかける様に淡々と描いている。荒んでいるなんて感じさせない、ごく当たり前としての描写。セックス描写は頻繁で、時にコメディかいというほど滑稽で笑ってしまったり、なるほどね~と感心するほどだったり、その世界の事情がよくわかる。結局ジュンはどうなるのかな。2010/07/31