内容説明
「幻想の歌姫=中島みゆき」―。現代詩人としてもっとも刺激的な“問題”を携えて“表現”へと向かう著者が、1980年代を代表するシンガー・ソングライターが提出する“意味”を求めて、〈彼方〉へと読み抜く異色の歌謡論。
目次
〈中島みゆき〉に沿って(化性の歌;風が吹き風が吹き;いやな男・いやな私;放射するメッセージ;きびしさへの分岐;歌姫の二つの顔;さらなる変化を…)
〈中島みゆき〉の発見(「朝が早い」のはなぜか;中島みゆき論を求めて;諦めと洞察―中島みゆき論のための二つの手がかり;「声」の出所―中島みゆきと宮沢賢治)
そして…(幻想の歌姫;『女歌』をめぐって;それからの〈中島みゆき〉)
対談 超越の音・喪失の音(竹田青嗣+天沢退二郎)
献呈詩篇
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とよぽん
17
歌(歌詞、メロディー、歌い方をも含めて)をこんなに分析して、論じて、評価している本はあまりないのではないだろうか。出版されて30年も経つが、最近の中島みゆきの歌についてはどう分析して批評するのか、興味がある。2018/02/18
工藤 杳
1
創樹社版。歌という領域を批評する者はどうしたって主観的になってしまうので、批評を読んで曲を聴きたくなるっていうのが最良なのだろう。 一言にしていえばそれは《夜》の問題だ。いつのまにか私たちは喪失したといおうか?(…)今はもう《なんとかしよう》などと思えばかならず《朝が早い》のだ。マラルメにとって《真夜中》は詩の成立の謎を秘めた無限の深みだったのに、(…)何とかしようと思って、ただ思っているうちに、あっけなく夜空は青く明るくしらみはじめ(…)牛丼屋のカウンターに肘をついてうとうとするばかりなのだ。(124)2017/02/22
niagara_songs
0
単行本2022/07/17
-
- 和書
- 川へ行く道 - 歌集
-
- 洋書
- SECOND COEUR