河出文庫<br> ドラコニア綺譚集

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河出文庫
ドラコニア綺譚集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 273p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784309402420
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

「ドラコニア」とは龍の王国、すなわち「渋沢龍彦ランド」のことである。この知の領土において、著者は極楽鳥や仮面、童子といった偏愛するテーマをとりあげながら、筆のおもむくまま、自在のスタイルで、興趣つきないエピソードをつむぎ出す。一編ごとにエッセイ風、幻想譚風とおもむきを変え、きらびやかなペダントリーをふりまきながら、軽やかな精神の運動が展開する円熟のエッセイ集。

目次

極楽鳥について
鏡と影について
飛ぶ頭について
かぼちゃについて
文字食う虫について
スペインの絵について
ラテン詩人と蜜蜂について
箱の中の虫について
桃鳩図について
仮面について
童子について
巨像について

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミエル

31
久しぶりの再読。博覧強記のアンビエントなエッセイには、私の情報処理が追いつかないほどの知識が詰まっている。読み返すたびに、非日常界でしか思い出さない蘊蓄がぽろぽろと蘇る。どの章もハズレなし(当たり前だけど)今回はアポコロキュントーシス、かぼちゃについて読みたかっただけなのに、結局全部読み切ってしまったのは、ただただ面白いからなのだと思う。知識と教養の沼、それが澁澤龍彦。2025/01/30

ミエル

17
ロマンティックでオカルトなドラコニアにまつわる自由なエッセイ集。もちろんファンタジー全開。精錬な知識から生まれる想像力、精神の余裕、人間の生き方の贅を凝縮したような思考を堪能。著者にかかれば、架空の生き物を語る戯言のようなファンタジーであれど、濃密で心地良い重たさを堪能できる。どうしてこんなに魅力的な文章が書けるのか、いつもいつも不思議。丁寧に少しずつ読んでいたけれどついに読了。なんだかが口惜しい。2018/02/15

マッキー

17
これも澁澤ワールド全開でよい。少し硬めで難解なエッセイかな?と思うが、本書を読んでいるときのまるで知のブラックホールに吸い込まれていく感覚はまさに澁澤にしか出せない味。興味深かったのは「箱の中の虫について」 2017/06/02

歩月るな

10
贅沢で面白い。『飛ぶ頭について』『仮面について』『桃鳩図について』『巨像について』等がお気に入り。若き日に「いや、小説なんか書かない。おれは人間関係というものが大きらいだから、小説にはぜんぜん向かないタイプなんだよ。(略)自分でもよく分からないようなジャンルのものを書いているよ」と言いつつ「人称(ペルソナ)というのはふしぎなもので、こいつを仮面のように顔にかぶせてしまえば、少なくとも文章の上では、どんな人物にでも容易に化けることができる。この特権を利用せざるべけんや、である。」となるのがストーリーテラー。2015/08/20

pico

9
文庫にて再読。知識の泉が多次元の幻想の海を創りだす。たとえば、よく整頓され性能の良い薬箱がひとつしめると空気を含み、思いもよらぬ引きだしがあくといった感じ。なんともエレガントで楽しい楽しすぎる。2010/08/28

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