内容説明
ふとしたきっかけで一緒に住むことになった女の怪しい素振りにおののく「花の咲く比」、土佐の山奥に伝わる大蛇にまつわる話「蛇怨」、つぎつぎにおこる不可思議な出来ごとの正体を語る「妖怪記」、そして季節はずれに飛びまわる不気味な蠅を描く「蠅供養」など、鬼才田中貢太郎が二十余年にわたって莵集した闇の世界からのメッセージ『怪談全集』より白眉２８篇を抜萃収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とんこ
20
著者が蒐集した怪談集らしいが、わりと創作部分もあるのか小説仕立てで読みやすく雰囲気がある。古典風な怪談話のみならず怪異がでてこない話も多く、怪談というより奇談集。抜萃元の「日本怪談全集」が昭和45年刊でけっこう古い。壮い（わかい）、姝な（きれいな）、鬼魅悪い（きみわるい）、などへぇこんな風にも書くんだって表現が結構ありました。2023/12/26
∃.狂茶党
15
前巻には番号がなかったので、好評につき第二弾となったのかな。 怪談とは言い難いような話も結構ある。 落穂拾いのようなところがあるような。 怖い話よりも、奇妙な話としての怪談。 2024/02/01
卍ザワ
0
同じ怪談でも、話の視点が、一巻では怪奇現象の詳述に対し、今巻では、怪奇現象に遭遇した時の人々の行動・反応に移っている。物語としても、こちらの方が成立しており、一巻の解説は二巻の方にあてはまる。2013/04/24
