内容説明
“海のシルク・ロード”として、古くから東南アジア・中国との架け橋だった沖縄。古代の神秘と伝承がいまも息づく沖縄。戦争と占領の悲劇を一身に背負った沖縄。そして、輝く太陽と碧の大海原が若者を誘う観光のメッカ・沖縄―西村京太郎・大城立裕・三好徹・森詠・南部樹未子・佐木隆三・田中光二が、錯綜した南国の光と影を解き明かす異色のアラベスク。魅力のミステリー紀行シリーズ第7弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヨコケイ
2
図書館で元本が廃棄されてて、こうしてアンソロジー収録作しか読めなくなっていくんだよな…と嘆息。架空の島の土俗的因習を扱う伝奇篇「南神威島」、幻想SF「幻魚の島」は、外部の視線による失礼なオリエンタリズム(南洋幻想)含みであろうが神話的で寧ろ普遍的なのかも。占領下を描き、不条理劇めくのが逆にリアルな文芸作「逆光のなかで」。復帰前夜の痛ましい娼婦殺し「遠い島の女」。復帰後の生々しい点景「ジュークボックス」「星の降る夜」。旅行ツアーで居合わせた驕慢な老婦人の胸中と彼女へのシニカルな眼差し「ニライカナイの島で」。2022/02/08
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