感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ゲオルギオ・ハーン
23
著者は古代ローマ史研究者。ユリウス・クラウディウス朝の政争の真っ只中にあって翻弄されながらも抗い、ついには息子を皇帝にした女性、アグリッピーナ。彼女を解説するのに敢えて物語形式をとったという面白い試みの一冊。悪女として書かれやすいが、彼女に焦点を当てて考えると政争の道具にされるのが必然な状況で駒からプレーヤーとして主導権を得るまでになったのは伊達にアウグストゥスの血筋ではないとさえ思える。身内が次々に謀殺されている状況下で発狂せずにむしろ克服しようと立ち向かった精神力の強さを感じずにはいられなかった。2026/03/25
ジュンジュン
10
小説と評論の二部構成という珍しいスタイル。主役アグリッピナは、祖母が初代アウグストゥスの娘ユリア、兄は三代目皇帝カリグラ、そして四代目クラウディウスの妻にして五代目ネロの母。帝位継承規定がないローマ社会では、最高のサラブレッドゆえ、常に命の危険に晒されていた。彼女にとって権力闘争は生存を懸けた戦い。悪女というよりは当時のローマ宮廷社会の代表者がふさわしい。それにしても不倫、近親相姦と当時のローマ社会は凄すぎる。2023/05/14
Mana
4
読み終わって、アグリッピーナには悪女のイメージがあるけど、なんでなんだろうとあらためて感じた。叔父との結婚や息子ネロとの近親相姦のイメージから?又はネロの悪行のイメージで?たしかに清廉潔白な善人ではないけど、同時代の他の人と比べて特別ひどいということもない。夫の前妻の息子を差し置いて自分の息子を後継にしたのも、前妻の息子を殺してないならむしろ良い方なのでは?とか。ここまで細心の注意を払って生き抜いてきたのに、やっと楽になれると思ったら、そこまでして帝位につけた息子のせいで破滅するなんてやってらんないよね。2022/08/18
viola
4
父はゲルマニクス。母はウィプサニア・アグリッピーナ。カリグラの妹で、クラウディウスの姪であり妻で、ネロの母。事実は小説よりも奇なり、という言葉がぴったりなこの人物。古代ローマ史の中でもこのあたりは凄く好きなので、面白かったです。2013/02/08
samandabadra
2
北京の空港でトランジットの飛行機を待ちながら読了 人生二転三転 生々流転 どうしても女傑を描くと 人間関係のどろどろを描くことになるんだよねえ。 これはいずれの作者もが持つ偏見なのだろうか 2009/08/31




