河出文庫
枯木灘

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  • サイズ 文庫判/ページ数 312p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784309400020
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

自然に生きる人間の原型と向き合い、現実と物語のダイナミズムを現代に甦えらせた著者初の長篇小説。毎日出版文化賞と芸術選奨文部大臣新人賞に輝いた新文学世代の記念碑的な大作!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

450
前作『岬』の内容をほぼ忘れての読書、手ごわかった。紀州という土地、「路地」の姻戚関係、濃密で息苦しくなる。男たちは陽を浴び風を受け土を穿って、夜になれば女を抱く。女は性器だ、受け身でさえあればいいとうそぶく男。種馬のように女たちを孕ませた実父を性器の象徴とみなし、相いれない主人公。閉塞感と近親相姦と憎悪と。北米の南部文学を思わせる土着の文学。こんな小説を描く作家が、現代日本にいるだろうか。2020/08/28

あさひ@WAKABA NO MIDORI TO...

105
1976年~1977年「文藝」。本作は既に文学的にも高い評価を受けているということですが、冒頭の数頁いや僅か数行で読む者をふるいに掛ける、決して万人向けの作品ではないなと感じました。辺鄙な紀州は熊野の田舎町で複雑な血縁関係の中、土方として生きる秋幸を中心に愛と憎悪が煮えたぎる血の物語です。今どきの作風ではないですが、人間の性を炙り出した非常に濃密な世界観に誘い込む、そんな作品だなと頑張って完読し感じました。2018/10/06

touch.0324

54
紀州サーガ3部作の2作目にあたる本作は『岬』を遥かに凌駕する傑作。波涛が打ち寄せ草木も育たぬ枯木灘と、神話の土地熊野に囲まれた貧しい"路地"が舞台。信仰、歴史伝承、複雑な血縁、狭小な共同体、はたまた、そこはかとなく感じる視線や、口の端に上るうわさ話─路地の生きた記憶─、これらの重層的なしがらみを背景に、愛と憎、聖と俗、労働と搾取、生と死、性と暴力、すべてが煮えたぎる。土地≧社会≧個の葛藤は『岬』を深化させたかたち。中上自身であり、読者たる"個"は、主人公の秋幸に自分を重ね、自らのルーツを追うことになる。2014/11/14

財布にジャック

54
戦後生まれで初の芥川賞作家だという中上さんの作品を初めて読みました。とにかく重い内容に、たった300ページ余が2倍にも3倍にも感じられ苦戦しました。路地(部落)という狭い世界で、血族たちが繰り広げる凄まじい生き様は、現代に生きる自分には理解しがたく、最初から最後まで読むのが辛かったです。血から逃れられない主人公の苦悩が、ひしひしと伝わってきて悲しい程でした。しかし、凄い本でした!2011/07/01

chanvesa

46
「岬」の続きだが、物語の迫力は更に増している。「岬」でも触れられていた兄・郁男の自殺という自己破壊は、秋幸の爆発する暴力と憎悪の対位法を為している。そして随所にこの一族の経緯が挿話として繰り返され、「血」として繰り返されることの暗示という執拗低音が小説を立体的にしているが、主調が鉛色の暗さで実に疲れる。浜村龍造は『アブサロム、アブサロム!』のサトペン大佐を思わせるが、彼より下品さが露出している。楽しさや面白さはなく、時折読むのをやめたくなるが、中上健次が追求した苦悩の世界を追うという稀有な読書体験である。2018/10/07

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