出版社内容情報
夏目 深雪[ナツメ ミユキ]
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内容説明
彼女たちが語り出した―いまや百花繚乱の女性映画。『私の少女』『お嬢さん』『逃げた女』から最新作『ユンヒヘ』まで。世界から熱い注目を集める韓国映画の新潮流を徹底紹介。韓流、クィア映画、日韓リメイク…。躍進する女性監督と、シスターフッドを描く女性映画の現在を探る。
目次
1 新時代の女性像(はじめに;私の好きな韓国女性映画;女優論)
2 韓国・女性・表象・歴史(韓国女性映画ベストテン;韓国女性映画座談会;小論)
3 韓国女性映画作家名鑑(韓国映画史における女性映画―黎明期から九〇年代まで;二〇〇〇年代以降の男性作家と女性映画作家としてのホン・サンス;パク・チャヌク ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
akihiko810/アカウント移行中
19
韓国の女性映画についての批評本。印象度B+ かつて韓国では女性の地位が低く、「女性映画だと客が入らない」とされてきたそうだが、近年では優れた女性映画がたくさん登場してきている。本書で登場した女性映画で、視聴済みなのは1/3くらいだったので、面白そうな観たい作品がまたたくさん増えた。「シスターフッド」ものは日本作品にもすぐれた作品が多いが、「家長制度」の強固な韓国の方が、その反発から、より明確なテーマとして出るのだろう。 あと、韓国女優では、やはり一番はペ・ドュナで、別格の扱いだった。2025/03/14
二人娘の父
9
あまりにも面白くて一気に読了。韓国映画を観る解像度がバク上がりすること間違いなしの1冊。女性監督の存在を意識するようになったのは「オマージュ」。イ・ジョンウン演じる、シンスウォン監督自身とも思われる女性監督の姿が記憶に残る。しかし本書で初めて「この作品は女性が監督なのか」というのも結構ある。つまりはそこまで私自身の意識も知識もなかったということだろう。もったいないことだ。しばらくは本書で紹介されている作品を観る日々となりそうだ(ドラマはどうする!)。2024/03/26
n_kurita
3
各映画のコラムが良かった。また「女性映画」の括りで横断的に批評するのはとても面白い試みだし、変化が分かって面白かった。韓国映画のみでなく、他の国や世界的な規模での遍歴が分かる書籍があると面白いなと思った。2022/11/06
レンコン餅
3
韓国映画について取り上げた本だとどことなく「マッチョイズム」なことを彷彿とさせることも多かった個人的な見解でしたが、この本は女性が軸になる作品を取り上げている。女性監督の少なさや女性を描くことの進化が事細かに分かってくる。まとめ方も上手で出てきた映画を観なきゃと思わせてくれる力があった2022/09/10