出版社内容情報
空前のブームに湧くシティポップ。それはどんな音楽/文化現象なのか? リバイバルの理由は? あらゆる角度から紐解く決定版論考!
目次
第1章 シティポップ概説
第2章 シティポップという「物語」
補論1 はっぴいえんどのシティポップへの影響を風景論を通して考える
第3章 シティポップの再興
第4章 グローバル化するシティポップ
補論2 “再発見”はどこから来たか?:海外シティポップ・ファンダムのルーツと現在地
補論3 インタビュー 韓国のシティポップブーム解説
第5章 シティポップの行方
著者等紹介
柴崎祐二[シバサキユウジ]
1983年、埼玉県生まれ。音楽ディレクター、評論家。2006年よりレコード業界にてプロモーションや制作に携わり、多くのアーティストのA&Rを務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゅん
11
「シティポップ」という言葉の発生から展開、再浮上を検討する。オルタナティブとして誕生したものがメジャーになり、衰退してノスタルジーとなる。あらゆる事象に共通するこの時間的展開を概観しつつ、北米からの評価の重なった現在の状況を整理する。アジア諸国の「シティポップ風」音楽が、日本からの影響ではなくそれぞれの国の状況から発生したことを指摘する論は、具体的な作家名が多出していて説得的。補論も収録されており、風景論映画とはっぴいえんどを繋げて、シティポップの見えない顔を浮かべようとする岸野雄一の論には刺激された。2022/06/10
MASA123
7
あまり共感できず・・・最近、この手の音楽を好きになった人に向けての情報発信ということかな。2023/10/02
つまみ食い
4
ほぼ学術書。シティポップの厳格な定義を求めるというより、その歴史と今日的な広がりを丹念にたどることでシティポップだけでなくポピュラー音楽の性質に関する研究にもなっている。2022/10/08
Sherlock Holmis
3
シティポップというそれ自体が世俗的物質主義的価値観やカジュアルさを指向してきた分野に対し、終始衒学的ともいえるアカデミックな態度で臨むのは本物の野心の賜物なのか、或いはもしやツッコミ待ちの壮大なギャグなのか、、本の中では現代シティポップリスナーの心象も分析されているが、この手の音楽を聴くことで「かつて憧れ、しかし結局叶わなかった未来への追想」が喚起されている、的な記述があったのには切なさを感じた。まあ難しいことを考えても考えなくても、ディスクガイド的な読み方をするだけで十分楽しめる。2024/02/10
くらーく
3
別に気にしないで聞いていたけど、あれはシティポップだったのですね。ただ、ほとんどの楽曲が就職した後だったので、CMで流れていたところ以外は曲が分からない。まあ、忙しかったからなあ。 で、今、シティポップが評価されているんだってか。ちょっと時代に先んじていたのだねえ。ここで描かれている方々もお亡くなりになっている方もいるし、存命でも高齢ですよね。30年以上前を振り返って、いまどんな気持ちなんだろうなあ。 それにしても、中原めいこさんは今どうしているのかなあ。壊れたピアノは名曲だな、個人的に。2022/08/21