出版社内容情報
郷土資料館では、どのように資料を収集し管理し調査しているのか。著者自らの資料整理体験による展示の裏側で起こる知られざる物語。
内容説明
知られざる郷土資料館の裏側。学芸員の秘めたる喜び、悲哀と恐怖。著者自らの資料整理体験による物語。郷土資料館では、こんなマニアックな作業が…。読めば展示を見る目が変わってくる!
目次
1点目 資料整理!
2点目 文化財害虫!
異聞1談目 不可思議!
3点目 金属保存!
異聞2談目 異常!
4点目 データベース!
5点目 展示準備!
6点目 収蔵庫を作ろう!
異聞3談目 信仰道具!
著者等紹介
鷹取ゆう[タカトリユウ]
漫画家&イラストレーター。博物館学芸員資格取得。文化財虫菌害防除作業主任者資格取得。日本民具学会会員。博物館勤務の経験を元に、2013年から博物館の資料整理を描いた漫画を同人誌即売会で発表。博物館の企画展ポスターイラストや博物館関連の漫画等も手掛けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ででんでん
85
市松人形、炭火アイロン、文机、墨壺、古文書、鳥居…ふむふむ。と、鳥居!多岐に渡る膨大な資料と向き合う博物館学芸員のバックヤードでの仕事が描かれる。資料の整理や保存、展示準備…。意外というか当然というか、さまざまな虫との闘いも重要な仕事。「10年後には朽ちるものを100年後に延ばす」という金属保存。今使っているものも、20年も経てば入手は難しくなるかもしれない→資料になる。気の遠くなるような緻密さと忍耐力と、そしてビジョンも不可欠な仕事。念のこもった道具たち故の不可思議なエピソードも挟み込まれて興味津々。2021/04/27
なつ
43
博物館等で展示される収蔵品を整理する学芸員の仕事を4コマ形式で解説。歴史的な価値のある資料を整理し、保管するのはとても大変。寿命を延ばすために湿度やホコリや食い散らかす虫といった天敵に立ち向かう。あまり聞かない仕事内容がわかり、興味深く読めました。漫画で導入しやすいし、学芸員志望の学生の入門書にピッタリなのでは。2021/10/19
yyrn
42
調査研究が花形ならば、その結果を記録保管し展示するのは、やっぱり地味な裏方仕事か?その「博物館の学芸員」の裏方仕事を「四コマ漫画+解説文+図解」で面白く教えてくれる本だった。予算がつかないために何でも自前で対応せざるを得ない話が多く、奮闘する学芸員たちの工夫の数々が読ませどころか?人が経験できる仕事の数なんてたかが知れてるが、こういう本で疑似体験できるから読書って楽しい。しかし、保存のために虫退治もしなくちゃならないし、歴史あるモノに囲まれているとやっぱり日常的?に遭遇する超常現象。慣れないと大変だw2021/07/17
みつ
35
学芸員といえば(自分にとっては)展覧会の花形の印象が強いが、ここでは「収蔵品の整理」という(文字通り)「陽の当たらない」(というか陽が当たってはいけない・・・紫外線は厳禁(p79))の地道な日々を描く。オチのない4コマ漫画のような形式を取り、それぞれ短い中に様々な情報が入っている。収蔵物に有害な昆虫、虫害を防ぐための燻蒸剤、資料調査カードの様式、収蔵庫を作る際着る防護服、温湿度は22℃、55%前後に保つ、など。イラストで精細に描かれた資料整理に使う携帯道具ともども、資料を痛めないための細心の配慮が印象的。2021/10/31
りお
33
郷土資料館で働く学芸員さんのお仕事。普段意識しない職種だからこそ読んでいて楽しかった。虫との戦いや霊的なものとの遭遇…古い資料だとそういう事もあるのね…。体力的にも精神的にもエネルギーの必要なお仕事だと感じた。2022/03/23