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目次
プロローグ ラファエッロの世界(聖母子の画家;大構図壁画家;素描家;神話画家;肖像画家;“ラファエッロ”の救済)
第1章 生誕と修業時代(画家の家に生まれて;ペルジーノ工房へ弟子入り;自らの工房をかまえる;龍退治というテーマ)
第2章 フィレンツェでの飛躍(神話と聖書世界の融合;レオナルド・ダ・ヴィンチからの影響;聖母子のヴァリエーション;肖像画家としての成功;ミケランジェロからの影響)
第3章 ローマでの君臨(ヴァチカン宮殿のスタンツェ;パトロンたちと、建築家としての活動)
エピローグ ラファエッロ神話(新古典主義の理想形;バロックのマトリックス;愛された人;最晩年のラファエッロ;神格化と失墜)
著者等紹介
池上英洋[イケガミヒデヒロ]
1967年広島生まれ。東京芸術大学卒業、同大学院修士課程修了。専門はイタリアを中心とする西洋美術史・文化史。現在、恵泉女学園大学准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
379
ラファエロは、なんだラファエロかとややもすれば軽視されかねないところがある。それは、現代から見ればあまりにも古典的に美しく整い過ぎている故であろうか。ラファエル前派などはそうした立場だろう。例えばラファエロの聖母子像の代表作の一つである『椅子の聖母子』(ヴァチカン蔵)を見ると、その美しさは聖なるものというよりは、きわめて人間的なそれである。それはまさにルネサンスの精神に叶うことでもあるのだけれど。それは当時に生きた人物たちの肖像画にしてもしかりである。『アテネ学堂』の建築的な美しさもまた捨てがたい。2021/02/16
ハイク
108
ラファエッロと言えば「聖母子」を思い出す。ウィーンにある美術史美術館を訪れた時に「聖母子」を見た。この絵は三角形構図で描かれ聖母マリヤの衣装は赤と青の印象に残る色彩であった。これはレオナルドダヴィンチの影響だという。ラファエッロは37歳の若さで亡くなったが、充実した人生であったと思う。ダヴィンチやミケランジェロと同時代に生き、大いに影響を受けたことが彼の才能を発揮したのではないか。ヴァチカン内の署名の間で彼が画いたことでもその名声は知られていたのであろう。彼の自画像を見ると柔和な顔の好青年のようだ。 2017/04/23
どぶねずみ
35
西洋画の鑑賞はまだ初心者レベルだけど、ラファエッロの絵画は見たことあるものばかり。先日観たテレビのラファエッロ特集で「模倣の天才」とも言われていると知った。ラファエッロが描いた画と模倣したと言われている画を見比べると、ただ転写するだけではなく、そこに自分のオリジナリティを拡げ、まるでウォーリーを探すかのような感覚に見舞われる。ミケランジェロ、レオナルドとともに三巨匠と言われていたが、ラファエッロはこの2人に触発されて模していたようだ。大塚国際美術館に行ったら、ラファエッロを感じることができるだろうか。2022/03/19
風に吹かれて
20
体の捻りなど体の描写にミケランジェロの影響が見て取れるという。鑑賞していると、捻りのみならず人間の体の逞しさ豊かさもミケランジェロの彫刻から学んだのだろうと思われる。多くの女性に接して美しい絵を描いたと言われているラファエッロ(1483-1520)の≪椅子の聖母≫などから女性の存在自体の豊かさが伝わってくる。また数々の肖像画の背景処理にダ・ヴィンチからの学びも見て取れるという。 →2022/12/07
こぽぞう☆
15
体系的に観たことがなかったので購入。やはり聖母子はラファエッロだ。ラファエッロの頃はまだネロ帝のドムス・アウレアが残ってたのかぁ。また、枢機卿に任命されるのを待ってたとか、知らなかったな。2017/03/04