高橋悠治という怪物

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  • サイズ 46判/ページ数 263p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309279763
  • NDC分類 762.1
  • Cコード C0073

出版社内容情報

ピアニスト、作曲家として現代音楽シーンを牽引し、〈水牛楽団〉を率いて現代の民衆音楽を追究する偉才の奇蹟を初めて一冊に。

青柳 いづみこ[アオヤギイヅミコ]
著・文・その他

内容説明

作曲家、ピアニスト、批評家としてさまざまに同時代の表現行為をきりひらいてきた高橋悠治。グレン・グールドとの対比から、クセナキス、武満徹ら20世紀音楽との関わり、そして「水牛楽団」という、独自な民衆音楽への志向性まで、文筆家のピアニストによる、実感的・高橋悠治論。

目次

第1章 グレン・グールド
第2章 連弾、やる?
第3章 一九六〇年草月アートセンター
第4章 痩身・黒髪の“マッド・ピアニスト”
第5章 小澤征爾と『不安の時代』
第6章 一九六〇~七〇年代の録音から
第7章 水牛のように
第8章 別れと追悼
第9章 カフカ三部作
第10章 解体された『ゴルトベルク』と蕩けるようなショパン
第11章 『春の祭典』
第12章 引き裂くドラゴンと地上の天使

著者等紹介

青柳いづみこ[アオヤギイズミコ]
1950年、東京生まれ。ピアニスト・文筆家。安川加壽子、ピエール・バルビゼに師事。フランス国立マルセイユ音楽院首席卒業、東京藝術大学大学院博士課程修了。1989年、「ドビュッシーと世紀末の美学」により学術博士号を受ける。90年、文化庁芸術祭賞受賞。主な著書に、『翼のはえた指―評伝安川加壽子』(吉田秀和賞)、『青柳瑞穂の生涯―真贋のあわいに』(日本エッセイスト・クラブ賞)、『六本指のゴルトベルク』(講談社エッセイ賞)などがある。大阪音楽大学教授、日本ショパン協会理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Bartleby

10
どうにもつかみどころのない、しかし一定の世代からは天才として崇められる作曲家、高橋悠治。また現代音楽弾きとしても知られ、師匠クセナキスの「ヘルマ」を弾きこなせるのは彼くらいだとか。2.3年前にたまたま彼と通りで遭遇し、その独特のたたずまいに俄然興味が湧いた。彼の周りだけ、違う時間が流れていた。文筆家兼ピアニスト青柳氏は彼と共演したのを機にここぞとばかり鋭い批評眼で高橋観察記録を始め、1冊の本になった。数々の伝説についても検証。フジコ・ヘミングとの一件には驚いてしまった。彼女が書いて面白くないわけがない。2022/10/15

trazom

6
高橋悠治さんが想像以上の怪物だとわかったが、その正体はまだ掴めない。本書はピアニスト高橋悠治が中心だが、作曲家、政治活動家としての怪物は、まだ謎の中にある。ましてや、それらが、一人の中で同居しているのだから性質が悪い。連弾をしながら、高橋さんの意図的なアンサンブルのズレに、正統的ピアニズム教育を受けてきた青柳さんが戸惑っている。高橋さんの発言や行動のブレに、翻弄されている。「「水牛」にさえ行かなければ国際的ピアニスト…」との声に私は賛同するが、「自分の能力を隠そうとする」高橋さんに、それは似合わない。2018/11/08

Wataru Hoshii

4
少し前、悠治さんとの連弾を含む著者のコンサートに行ったとき、「高橋悠治論を執筆されているそうですね」と聞いたら悪戯っぽく「シーッ」と(隣に悠治さんもいたから)おっしゃった。私にとって悠治さんは20代の頃からの憧れの人であり、音楽からも著作からも強いインスピレーションをもらってきたアイコンなのだが、どこか捉えどころがないゆらゆらとした存在でもあった。著者も明らかに感じているそのゆらゆら感はそのままに、彼が立っている場所を演奏者としての視点から描き出そうとした本。改めて凄い人、そしてやはりわからない人である。2018/11/05

ラー

2
クセナキスの弟子であるとか、坂本龍一とも共演し本を出してるとか、富樫雅彦やスティーブ・レイシーなどフリージャズ界隈とも関わりがあるなど、断片的な知識はあったが、活動の全体像を把握できてなかったし、関心はあれど作品や録音にもあまり触れてこなかったので、興味深く読んだ。今後、高橋悠治自身が書いたものも読んでみたくなったし、ぜひ実演を聴いてみたいと思った。2024/03/10

おだまん

2
歌垣に行ってからの読了になってしまったのでとてもよく分かる。冬の旅はやはり聴いておきたい。2019/02/11

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