出版社内容情報
「木魂して天地にひびく井戸屋の屁」天才絵師・葛飾北斎が遺した、数多くの川柳。滑稽に満ちた、もうひとつの『北斎漫画』の世界。
田中 聡[タナカ サトシ]
著・文・その他
内容説明
滑稽にして壮大、聖にして俗―天才絵師・北斎が遺した川柳を、北斎の名画とともに読み解く。
目次
序 なぜ北斎は川柳に熱中したのか
第1章 暮らしの点描(日常のスケッチ;季節のめぐり;世間のあれこれ;いろいろな仕事)
第2章 歴史とまぼろしのあわい(故事の冒険;まぼろしのものたち)
第3章 色と欲の風景(花と色の里;性と宇宙)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
でろり~ん
1
さすが北斎、といった感想でした。俳句にも好い句があるのは当たり前に誰でも知るところでしょうけれど、川柳にも素晴らしい句はたくさんあります。北斎の川柳はお遊び的に詠んでいたものかと思っていましたが、とんでもなく真っ当に勤しんでいたんですねえ。画題の発想の根源がここに在りそうな気もしました。江戸時代、そんなに遠くない社会なんだなあと思わせてくれるのは俳句や短歌より川柳だよなあ、とか強く思います。ア・ホ・カ、と笑わせてくれる句もいっぱいありました。北斎美術館、行ってみようかしらん。まじまじと馬の見ている麦畑。2019/01/14